アイドルの力

少し前の事。
その演技が好きなのもあり、なぜか気になるので
一度でいいから草彅剛さんを生で見てみたい。
と思って一人舞台に行きました。
舞台は1年に1度くらいしか見ていないのだけれど。
彼を見れるならどんな舞台でもよかった。
そのお話はというと、予定調和を見るよりはよかったのかもしれないけれど
とてもとても難解でして。
周りにいた大勢のおばさまたちも帰り際歩きながら
「全然意味わからなかったね!」
「私寝ちゃった!」
みたいな明るい空気。そりゃそうなるわな、と思いつつ。

すこしもどってカーテンコールの話。
草なぎさん、客席に向かって手を振ってくれるわけですが
それがなぜかとてもかわいい。
ナニコレ、息子? みたいな感じ。
草さぎさんはいいお年なのに。
ああ、私の方が年下じゃないか(今気が付いた)
周りのおばさまとともに全力で手を振りかえしたくなる。
ナニコレ。勝手に腕が、四十肩が。
さらに舞台去り際、一瞬、急になんかかわいらしいポーズをする。
意味がわからない。
で、おばさまたちがそこで一気に一瞬で明らかに絶頂に達する。
甲高い、短い悲鳴とともに。
明かにそれがその日のピークだった。
私もその空気に圧倒されながら
ああ、今日、私はこの瞬間を味わう為にここにいるんだな、と思った。
草彅さんと萌える劇場一同セットで。
1時間半の舞台どこ行った。

難解な脚本も皆の努力の準備もすべてすべて一人で一瞬で軽々と越えてしまう。アイドルに興味を持った事はなかったけれどこれが真のアイドルなんだなあ、と感心しながら感動しながら
脚本を書く身としてはなんか哀しくもなりながら
「演者」の力を借りて表現ができたら
なんてすばらしいだろうと妄想する。









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