見出し画像

パート1 脚本をすごく解釈したくなる為に(カレーライス脚本解釈術4)

 脚本解釈から得られる4つの事

 とタイトルを見て、何を思いますか? 私は次の4つを思います。

一つ目 作品に対する主体的な姿勢

 雇ってもらってる、ではなくて、作品を世に出す一員、「当事者」として自分自身について認識する事に近づきます。恰好つけた言い方をすれば「オーナーシップ」を得られます。

 「はじめに」で「主体性を持って真剣に向き合ってくれた時~」と書きました。心に残っていますか。さらりと通りすぎた人の方が多いと思います。

 「主体性を得る」っていうのはある意味、心の変身で、ずっしり重量感のあるものです。これを得るまでがドラマになるほどの事です。だから、本当に切実に主体性はお宝です。勉強でも仕事でも、同じ事をしても収穫量が天と地の差だからです。

 何年勉強しても日本人は英語が使えない、がわかりやすいですね。最近読んだ本の中で、ハーバード大学のイギリス人が「僕イギリス人だけど何年スペイン語を勉強しても使えないから、日本人安心していい」というような内容が達者な日本語で書かれていておもしろかったです。

 簡単には手に入らぬ、主体性。でも解釈を真剣に試みる事は作品に対してオーナーシップを確実に獲得する大きなきっかけになります。

二つ目 周りとの信頼関係

 お互いの信頼を得る為に大切な要素は、直接話に交わしていない何かを共有できている、と信じられる事だと思います。この人、分かってくれている、と。信頼関係ができれば、次につながっていきます。

 作品を表現するという主体性を持っている事、自分の分のライスは持ってくる事で信頼されます。当たり前の事のはずですが、それができる人はごく少ないのです。一つ、ネガティブかもしれませんが、自分が準備した分、周りの準備不足が目につくようになるかもしれません。

三つ目 対応、修正力

 これは実際報告をもらったのでちょっと自信があります。業界で役者側からも脚本家友人からも、ネットニュースからも聞こえてくるような「ワガママで有名」な役者さんと「ちゃんと話ができました!」と若い役者さんが報告してくれました。

四つ目 自由、自分の可能性を最大限使う機会と自分の実力を知る機会

 セリフから自由になるきっかけになります。セリフという箱の鍵が外れるイメージです。もちろん、鍵が外れたところで、創造力という脚力か、翼なのか、そういうものがなければ外に大きく飛び出す事はできません。でも、少なく前進です。せっかく鍵が外れているのに、私は全然外に出る力が弱いじゃないか、と分かるかもしれませんから。

 または、安全の為に30キロで走ったけど、よくよく調べたら道の周りに何もないから100キロでかっとばしてよかった! と、どんな道か詳細が分かるようになります。これも、そもそも100キロ出せる能力がある人なら、ですが。でも、俺は自分はスーパーカーだと思ってたけど最高速度55キロかよ、と気づくのは前進です。

 本当は100キロだせたのに、という人がいても「限界のスピードで走れる道」で試した事がなければ自分の実力は分かりません。役者の道は本当に果てしない道だとは思いますが、自分の潜在的な力を知らないままに自分に適性がないと思いこんだり、または適性がないよ、と言われるのは悔しいじゃないですか。

 この4つ、大袈裟な、と思いますか。そんな皆さんにこそ、このマガジンを最後まで読んで欲しいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?