10.本番(撮影)でのどうしようもなさについて

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 いよいよ、本番です。これまでちょこちょこと本番で力を出し切る難しさに触れてきましたが、ここではもっと根本的なお話をしたいと思います。
 まず、演じる事について、フィクションという言葉に見合うように、時々見られる「嘘」という言葉をごうごうに非難したいと思います。
日本の監督24人のインタビューをまとめた本をざっと読んだ事があります。有名な監督の「映画は大いなる嘘です、でもその嘘のために」みたいな表現があります。腹が立ったので数えました。24人の監督のうち少なくとも4人が「嘘」という言葉を使っています。どんな素晴らしい作品を制作されているかに関わらず、何か演技についての重みを削ぐ言葉なのでやめてほしい。言葉尻で全体を判断するのも嫌いですが、どんな文脈を持っても逆転できる言葉ではありません。使っちゃ「ダメ、ぜったい」です。ただ、監督も役者も脚本家も好き嫌いは作品で判断してください。もし憧れの表現者が「嘘」という言葉を使っていたらその部分だけ耳を塞いでください。

 ちなみにテレビのノンフィクション業界で、当時大きな力を持っていた全身まっ黒の服しか着ない名古屋出身を恥じているプロデューサーが「我々は小さな嘘をついても大きな真実を言うのだ」と、恰好つけてましたが、まだそっちの方がましです。(どうでもいいですが私は名古屋出身です)

 私は演技は仕組まれたドキュメンタリーだと捉えています。ドラマのどこをどうやったらドキュメンタリーなのか。再びイメージで伝えます。今度はジェットコースターとおしっこなんかに例える事に挑戦です。

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