就活しなくても就職できる。

このタイトルに興味を持った方は、どのような本文内容を期待してクリックしてくれたのだろう。

仕事はしなくちゃいけないけど、就活かったりーな、楽して就職したいなって思ってる人?

それとも、就活という世の中の風潮に疑問を抱いている人?

このタイトルだと前者の方が多い気もするけれど、残念ながらこれはそういう記事ではないのでここで離脱することを推奨します。楽して就職できるなら誰も苦労しません。

どちらかというと、後者の人に読んでもらいたい。

結論からいうと、私は「就職しよう→フリーになろう→就職しよう」という道を歩みました。でも、1回目と3回目の「就職しよう」は、異なるものです。

以下はフリーになろうと思った経験を主にまとめています。

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私は大学4年の4月、就活せずフリーライターになることに決めました。

正直不安ではあったけど、フリーになるなら中途半端な気持ちではダメだと思ったので、きっぱり決断したんです。

就活への疑問その①
なんで、みんな同じタイミングで就活を始めなきゃいけないのか。大学3年6月のインターン解禁の頃からその疑問はあったけど、当時はまだ普通に就職を考えていたのでみんなと同じようにスーツ着てインターンに行ったりしていました。でも、よくよく考えたらおかしくない?それぞれの人生なのに、どこの誰が決めたのかもわからない就活ルールに則って、疑問を抱くことなく同じタイミングで同じことしてる。それは自分の人生なのか?
就活への疑問②
なぜ行きたくもない会社に媚び売って神経すり減らしてストレス溜めなくちゃいけないの?それは社会勉強なの?自分が本当にやりたいことって何?いつの間にかその会社に気に入られる自分を創造してない?偽りの自分でその会社に入っても、入った後が辛いだけ。会社にとっても自分にとってもアンハッピー。私は金曜が唯一の楽しみであるかのごとく、酒やタバコにすがらないと生きていけないような人生を送りたくなかった。やりがいを感じない仕事のために毎日満員電車に耐える生活をしたくなかった。

実は、大学3年になる前の春休みくらいから、敷かれたレールを歩むだけの人生に疑問を抱き始めていました。

きっかけは、地方に行って都会にはない価値観に触れたこと。

もっといえば、自分の仕事にやりがいと誇りを持って、生き生きと働いている農家さんに会ったこと。

こんな働き方してる人、少なくとも私は都会で見たことないな。こんなに自分の住んでいる地域を愛して、地域のために頑張っている人もいるんだな。

そんな発見をしました。地方にハマった私は、周りが5daysのインターンなどに行っている中、大学3年の夏休みにまたまた地方の農家さんの元へ。

農家さんは多様なバックグラウンドを持っている方が多くて、お話する中で、やっぱり人生一通りじゃないんだなってことに気づかされたんです。
地域のコミュニティをつくろうとしている農家さんには「コミュニティデザイン」というものを教えていただき、山崎亮さんの本を読んだらものすごく面白かった。私が地域づくりというものに興味を持ち始めたのは、そこが原点だったかもしれません。これも、その農家さんのところに行かなかったら知らなかったこと。

話だけでなく、農作業の手伝いをすることでこんな気持ちも生まれてきました。

農家さんって、こんなに苦労して作ってるのに、その努力は私たち消費者に全然届いていない。生産者と消費者の距離を縮めたい…!そのために、生産現場のリアルを発信したい!

漠然とこんな気持ちを抱きつつ、何ができるのかよくわからずに過ごす日々。でも、地方に行って行動することの大切さを学んだ私は、東京に帰ってからも直感で動くようになりました。行動しなかったら地方の価値観を手に入れることはなかったし、人とのつながりの大切さにも気づけなかったと思います。

直感で動くというのは、Facebookで面白そうなイベントを見つけたら行ってみるとか、そういう誰でもできる簡単なことです。移住フェアとか行ってみたり、とにかく地方系のイベントに多く足を運びました。

そこで感じたのは、移住じゃないな、ということ。地方は好きだけど、移住ではない。じゃあなんなのかと言えば、一つの地域じゃなくて色んな地域と関わることをしたかったんです。

どこでもできる仕事。場所を選ばない仕事。そして、一次産業に関われる仕事……。

ライターかもしれない。ライターならどこでも仕事できるし、農家さんのところに泊まって手伝いながら、空いた時間で文章をかける。好きなことと得意なことを掛け合わせられる。

そう思って大学4年の4月、決断したんです。フリーライターになることに。文章を書くのは比較的好きではありますが、あくまでも一次産業を発信する手段の一つとしてライターにしただけ、という感じでした。

どうやって生きていくのかは未知の世界。決断してからも「面白そう!」を原動力に動き回りました。

その一つが、「山梨プライド」という山梨市の地域商社がやっているプログラム。山梨市に一年間入り込んで地域課題を発見し、事業を作ってみよう!みたいな地域プロデューサープログラムでした。もちろん内容にも興味はありましたが、宿泊費や食費は向こう持ちで滞在できるってすごい、楽しそう!という遊び半分で関わることに。

まさか1年後、その商社にJOINすることになろうとは考えてもいませんでした。そう、フリーになると決めていた私が、商社に就職することにしたんです。

就職というと大げさな感じもするのですが、法人として働くのでやっぱり就職なのでしょう。

4月からずっとフリーになると言い続けてはきましたが、せっかく関わるならガッツリやりたいな、と思ったのがきっかけです。山梨市に愛着があり、一緒にやる仲間もいます。

フリーのまま関わるという選択肢もあったのですが、フリーであることに執着する必要はないと思いました。もしあるとしたら、きっとそれは自分のつまらないプライドが就職という道を遠ざけているだけな気がして。
「なんだあいつ、結局フリーでは生きていけないのか」「あんだけフリーといっておいて、結局安定を求めるのか」という目でみられるのが嫌なだけ。

でも私は就職が嫌だったわけでは決してなく、ただ働きたいと思える会社がなかったからフリーという働き方を選択しただけでした。なので、どんな働き方であろうと、自分がやりたいことを、最高の仲間と一緒にやることができれば、それが私の幸せなんです。

必ずしも就活する必要はなくて、自分と合うところを自分のペースで探せばいい。合うところがないなら、自分で仕事を見つけ出せばいい。

誰かに言われたことだけやってれば満足なら、普通に就職すればいいと思いますが、ちょっとでも疑問を感じるなら、周りと違う道を行った方がいいのではないでしょうか。

自分が興味あることを軸に動き回れば、いつかは自分の軸が見えてくるはず。何がしたいのかよくわからなかった私も、動くことで見つけたから。

人生に正解はありません。でも、他人の人生を生きるのだけは、不正解な気がします。

これでおいしいものを食べます🍴 ありがとうございます!