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白文鳥おもち部屋⑥ おもちの衣替え

今回は、文鳥の換羽期かんうきの話になります。

文鳥は、毎年1回、春先から約1ヶ月に渡り、古い羽から、新しい羽に生え変わる換羽期を迎えます。
我が家のおもちも例外なく、3月に入ってから、その時期を迎えました。

毎日我が家の床に点々と落ちる、おもちの白い、子ども時代の羽。
参考にしている文鳥のYoutuberさんの真似をして、拾って小瓶に集めてみた日もありました。

量としては、ふわっと詰めたら、ヤクルト1本分くらいですかね
(本当に詰めてはいませんが、多分)。
上の写真は、3日分くらい、本当はもっと抜け落ちていています。

衣替え最中は、それだけで体力を消耗するため、文鳥はじっとしていることが多いそうです。
しかし我が家のおもちはその例外らしく、いつも通り私たちに喜んで飛び乗ってくるくらい、いつもどおり元気なものでした。
多少、イライラしているようではありましたが。

やはり動物はひとくくりには出来ず、この子はこの子、という感じです。
不安だから、人に甘えたかったのかな。

そんな生き生きした行動とは裏腹に、見た目は、日に日にむしられた感が増していきます。
まるでたわしのように短くなった頭頂部に、つやを失った体。
目の周りの毛が薄くなったところから、皮膚が見えていた時は、さすがにビビりました。

換羽期の特徴と頭ではわかりつつ、不安になるのは人間も一緒で、飲み水に栄養剤を数滴混ぜたり、餌のほかにも小松菜や豆苗など、緑黄色野菜も頻繁に与えたりと、人に出来る出来る限りのことをして、辛抱強く見守ること、約1か月。

4月に入ると、先月の姿が嘘のように、モデル並みのシルキーな文鳥に生まれ変わりました。


こちらは先週撮影分。アイキャッチの写真も、同日撮影したものです。


こちらは我が家に来たばかりの1月に撮影しました。

ペットショップのお姉さんがおっしゃったとおり、グレーの羽がすっかり生え変わり、大人に生まれ変わりました。

我が家のおもちの換羽期は、1か月で無事に終了しましたが、年を取ったり、健康に不安があれば、それよりも長引くこともあるそうです。


誰に教えられたわけでもなく、自ら一人(一羽)で衣替えを終えたおもちは、生き物の不思議さとすごさを教えてくれます。



おかしなことなんですが、おもちの換羽期ピーク時、体のあちこちから見えるピンク色の地肌の部分がとても目立っていた頃、非常に鶏肉さを感じさせました。
そう、スーパーの店頭に、パッキングされて並んでいる、あの鶏肉です。

生々しい表現ですが、それもささみとか胸肉ではなく、食べ応えがありそうな、ぷりっとしたもも肉。
羽がすべてなくなってしまえば、なんとなく唐揚げ用に似ているような…

もちろんペットのおもちを、食べ物としてみなすことはあり得ないのですが(ややこしいな)、何となく、普段は切り離して考えていたことが、一瞬繋がり、また離れていったような気がしました。

生まれた種類や場所、見た目で、動物は愛玩になるかそれ以外となるのか、その曖昧ながら残酷な線引きは、人間の都合で行うものです。


私は何も考えずそれに従って生きてきたし、これからも従って生きていくしかないのですが、今まで頂いていた数々の命に感謝し、これからも感謝をしながら口にしていこう、と何故か考えてしまったのです。

そして、めぐりあって我が家に家族としてやってきた命を、例え突かれたり、なかなかケージに入らず追いかけっこすることがあっても、これからも引き続き大切にしようと思いました。

話は変わりますが、noteを開き、皆さんの素敵な桜の風景写真を目にするたび、日本ってやはり広いんだな、と改めて思います。
桜前線北上中ですが、こちらは桜の蕾はおろか、雑草さえもまだ頭を出していない場所です。

だけど、グレーのコートを脱ぎ捨てたおもちが、この地域では私一人にだけ、一足先に春の訪れを運んでくれたような気がします。

まさか、おもちから季節の移り変わりを教えられるとは。
これからも、色々と教わることがありそうです。

それにしても、あのまだらのグレーの背中、見るのが好きだったんだけどな…

生き物と暮らしていると、成長に喜びを感じますが、その途中で抜け落ちた何かに、寂しさも感じるものです。


ルーター?の上がぬくいようです。

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