103万の壁と蜘蛛の糸

芥川龍之介の短編小説に蜘蛛の糸というモノがある。
散々悪事を働いて死んだ主人公は地獄に落ちるが、唯一助けた蜘蛛糸を垂らし助けるのだが、主人公の足に地獄に落ちた人々が連なり振り落とした時に糸も切れて地獄へ落ちていくという話だ。

国民民主党が103万の壁を訴え選挙を行った。それに対して様々なネガティブな意見(声がデカいだけかもしれないが)が寄せられている。
その中でいちばん多いのは「一律で所得控除が上がるので金持ちまで恩恵を受ける。これはおかしい」というモノ。

私はコレ、正に蜘蛛の糸そのものだと思う。
生活が苦しい方がいるのはわかる。
地獄の底から上がる途中で他人を振り払った他人の様に自分の生活もままならないのに自分より裕福な人間まで恩恵を受けるのは解せぬ。

けど、そうやって下へ下へ合わせていくというのは果たして正解なのだろうか。
私は心情は分かるが、コレが一番の停滞を生んでいると感じている。

みんなで恩恵を受ける。
コレでいいじゃないか。
私はそう思う。

103万円の所得控除は30年前から変わっていない。しかし、最低賃金はどんどん上がってくいる。
いわば袋(所得控除)は変わっていないのにクッキー(最低賃金)が大きくなって入り切らない状態だ。

働きたくても所得控除を理由に働けない。
雇う方も忙しくなる年末に所得控除を理由に働き控えされる。
お互いに苦しい。

コレを解決するには30年前と今の最低賃金の上がり幅に合わせて所得控除額も比例して上げ178万にするしかない。

コレは金持ちとから生活が苦しいとかは勿論だけど、それ以上に生きる権利の話だ。
日本国憲法第25条は、国民の生存権を保障する条項で、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と書いてあるではないか。

それならば、所得によって格差をつけるのはいかがなものか。
全て平等に上がらないと意味が無いのではないか。

この格差を生むことによって、労働意欲の壁が作られるコトを危惧する。
「働いてもどうせ税金とられるならここでいいか」と。

みんなで上げていこう。
私はそう思う。

ほいたら、また。


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文野翔太
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