見出し画像

天才ムンムン大統領 その16

超国家機密情報

「大統領、お呼びですか」
「うむ、掛けたまえ」
「君はまぁ、私が世界情勢に極めて精通し、その洞察力には目を見張るものがある‥てことは十分知ってるとは思うが‥どうかな」
「はぁ‥」

「君、その(はぁ‥)と言うのは、
ちょっと疑念系が入ってないか?」
「そ、そんなことはありません。
それは大統領の誤解というものです」
「そーか、ならいいんだが、アハハ‥‥」
「‥‥」

「えーえっほん」
ところで、君、米国防総省と米国家情報長官室が未確認飛行物体(UFO)の調査報告書を発表したらしいじゃないかね」
「よくご存知で」
「内容をざっと読んでみたんだが、なかなか凄いじゃないか。
うちの国防省とかにも機密の記録があるんじゃないか?」
「はい、勿論ございます。ご覧になりますか?」
「ぜひ見たいもんだねえ」

数日後、
「超超極秘記録なので、私達以外には絶対見せないようにと国防省より釘をさされました」
「なるほど!なにか、胸がときめくねえ‥」
「では、早速、国防省の超超極秘サイトにアクセスします」
「ふむふむ・・・」
「出ました、1枚目の画像です。
これが国内で撮影された最初期のUFO画像です」

「ほ、ほーっ!
す、凄いじゃないかね。米国に負けてないねぇ。」
「いえ、こう言うものは勝った負けたとかいうことでは‥」

「画像を拡大出来るのかね」
「はい、もちろん」
「画像も出来るだけ鮮明にして拡大してみてくれたまえ」
「はい!」
「おっ、なにか見えるぞ。この部分を拡大してみてくれ」

「ここですね。
あっ、何か文字のようなものが確認できますね」

「文字じゃないか? これは国防省も見落とした大発見かもしれないぞ!
宇宙人が文字らしきものを使う・・・
これは全世界に衝撃を与えるぞ!
世紀の大発見だ!
解読してみようじゃないか」

「はい、えっと解像度をあげて拡大してと‥」
「きたきた、最初の文字は漢字の『中』という字に似てないか?ありそうな図形、いや象形文字だな・・・次は?」
「華?ですか‥」
「えっ、華?次は?」
「飯店みたいですね‥」
「なにぃ?!・・・続けると、中華飯店?‥
これもしかして、中華料理のどんぶりを放り投げて撮った写真なのか?」

「うーん、なんとも言えませんねえ」
「いや、言えるだろ。
捏造するにしてもちょっと雑過ぎないか?」

「念の為に、次の画像を見てみますか?」
「そうだな、今のは間違えて紛れ込んだのかもしれないしな」
「出ました」

「ほー、今度はアダムスキー型のUFOか?」
「先程のようにアップにしてみてくれ。
そうそう、ほーこれは本物かぁ?」
「あっ、上部に何か見えます」

「おー、拡大したまえ」
「機体番号らしきものが見えます!」
「そうか、そう言うものがあっても不思議はないな。解読出来るかね」

「あ、はい‥
(特¥2980)と印字したシールみたいですね。」

「君、これは日本の土鍋じゃないのか。
それを放り投げて撮った写真じゃないのかね」
こんなものを超超極秘サイトに何年も保存してるのかね・・・」

「大統領、まだ5万枚ほど画像がありますが、ご覧に‥」

「見るわけないだろ!
やることが雑過ぎると国防省に言っておけ!」

数日後
「大統領、大変です!
米国が発表して、間をおかずに我が国もあの画像を世界に発表したそうです」
「な、なんだとぉー!
で、何と言って言って発表したんだ?」

「写真の数なら負けないぞ・・・と」

大統領
「・・・」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?