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受験生の進路(志望大学・学部選択)についての重要な情報

(1)大学にこだわっても学部にこだわるな



高校三年生のみなさんは、これから三者面談を控えて、進路選択の重要な時期に入るかと思います。


毎年受験生の進路相談をしていますが、いつも疑問に思うところがあります。


それは、受験生の大学・学部決定が素直すぎる、ということです。


悪く言うと、単純ということになります。


たとえば、将来観光業に就きたいから(立教大学)観光学部を受けたい、というものです。


観光業だから観光学部は当然。なぜ批判されなければならいのか。


そう思われる方も多いにちがいありません。


ですが、この進路決定は2つの点で問題があります。


(2)企業は大学で何を学んだということよりも、どこの大学を出たかで評価する


第一に、学生を採用する企業側から考えると、観光業界だから観光学部から採用することにはこだわっていない、ということです。


ぶっちゃけると、企業としては、大学のネームバリュー(偏差値や知名度など)で採用する。


もちろん、その学生の資質や性格も重要なファクターになりますが、学生の能力はその大学の偏差値にだいたい比例する。


採用者はそう考えている。


偏差値が低く、大学の著名度がなくてもその学生が優秀と判断して採用することもなくはないでしょう。


しかし、採ってみてその人がつかえない(仕事ができない)ならば、


採用者はその責任を追及されます。


一方、有名大学出身者を採用して、その人がつかえなければ、その本人が悪いということになります(それが度重なると採用担当者にもお咎めがくるでしょうが)。


だから、保身の意味もあり、採用担当はその学生が大学で何を学んだかよりも、大学名で採否を判断するケースが圧倒的に多くなります。


入試でのスキルが入社後のスキルにもある程度比例すると考えているわけです。



(3)狭く深くではなく、大学での幅広い学びを



さらに、観光学部の例を挙げましたが、ほかにもキャリアデザイン系などは人気があり、しかもこうした学部を設置している大学は少ないから、倍率が高く、その結果偏差値も偏差値も高めになります。


つまり、入るのに難しい。


ならば、観光やキャリアデザイン等を志望していても、学部にこだわらず、もう少し入りやすい、競争率や偏差値が低い学部に変更するというのも手です。


中には観光学部やキャリアデザイン学部などの、自分の所属している学部とは別の学部の授業も取れて単位に換算されるところも近年増えてきています。


観光学部で考えると、文学部日本史専攻や世界史専攻を受けるといのも1つの作戦としてありです。


歴史を学ぶことで、その観光地に対する理解が深まるということもあります。


また、経済や経営学部を受ける方法もあります。


観光ビジネスは経済・経営の手法が欠かせないので、マーケティングやマクロ・ミクロの経済学の視点で観光業を考えるのも将来役に立つはずです。

同じ理由で、経営者を目指すから経営学部を選択するというのはイージーで、法学部や社会学部、国際関係学部など、幅広い選択肢があっていいはずです。

大学では、専攻に合わせて深く狭く学ぶことも必要ですが、広く浅く、多角的な視野を持つこともそれ以上に重要になります。


そもそも企業側は日ごろの業務を通して仕事を覚えてもらいたいと思っていて、大学の授業にはまったく期待していないというのが本音です。


もとより、観光学部で○○教授のゼミに入りたい、観光学を学びたいというところに主眼があるのなら、観光学部を受けることに反対はしません。


(4)進路選びには柔軟な姿勢を


学びには柔軟な発想力が求められます。


受験大学・学部選びの段階から、この能力は試されるものです。


大学で特別な資格を取りたい、医歯薬看護系学部など職業と大学・学部が直結する場合は別ですが、こうしたケースを除いて、もっと柔軟に受験校・受験学部を選ぶ姿勢があってもいいと考えます。


入りやすさだけを考えて、入りたくない学部、興味のない学部に行くのも問題ですが、自分が意識したことのない学部を調べ、オープンキャンパスで先輩達の声を聞いて、進路選びの参考にしてみるのもよいではないでしょうか。

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