予知保全と機械学習の最近の研究ってどういうのか見てみた。
分析屋の下滝です。
最近ご相談のあった案件で、プラント監視のシステム運用において、計器や機器の予兆検知(予知保全)に関わるものがありました。
私はメイン担当ではなく、予知保全に関してはあまり知見がないのですが、いい機会なので、最近の動向を調べていると、面白そうなワークショップ(研究会)があることを知りました。
IoT Streams for Predictive Maintenance(予知保全のためのIoTストリーム)というワークショップで、今年で3回目のようです。
ということで、このワークショップがどのような動機で開催されているのかを見てみることで、予知保全が今後どうなりそうなのか分かるのかなと思い、説明を読んでみました。(deeplを使いながら感想を書いてみるだけです)。
ではまず最初の文です。
メンテナンスは大切だよと。高コストや怪我を防ぐからだよ(高コストとはどう結びつくんだろう?)。
で、デジタル化が進んで、予測精度を向上させるためにビッグデータが集められている状況にあると(急に予測精度の話に)。
それと同時に、インダストリー4.0の新技術がデータの生産と交換を強化していますよと。それのおかげで、メンテナンスのための大規模データセットの新しい概念と方法論の活用につながっていると(大規模データセットってここではどういう意味だろう?)。
で、データ駆動型予知保全(PdM)に関する研究が有望な結果を生み出していると。
以上です。データ駆動型予知保全は、おそらく、機械学習を使うような予知保全のアプローチです。
続きです。
データ駆動型予知保全ってのは、外部条件の変化によるコンセプトドリフトを扱うよ、さらに、機器の正常な摩耗も含むビッグストリーミングデータも扱うよ(コンセプトドリフトというのは、「アウトプットデータとインプットデータの関係が、時間や外部影響によって変化すること」のようです)。
複数のデータソースを組み合わせる必要があって、結果として得られるデータセットが非常にアンバランスになっちゃうこともあるよ。
システムに関する知識は詳細(どういう意味だ?)だけど、多くのシナリオでは、モデル構成とその使用方法の両方に大きな多様性があったり、データの品質が低かったり、ラベルの不確実性が高いから、複雑になってしまうよ。
特に、教師あり・教師なし機械学習、表現学習、異常検知、ビジュアル分析、および同様の分野での、最近の多くの進歩は、この領域で紹介する(見られる?)ことができるよ。なので、機械学習と予知保全の研究の重なりは近年増えているよ。
以上です。続きです。
これはまあいいか。
IoT Streamsとのワークショップ名なので、ストリーム的なことにより関心があるのかなと思ったけども、そうでもないんでしょうか。
続いて、このワークショップの動機と焦点です。
このワークショップでは次のような疑問に答えようとしているようです。
・どのような場合にメンテナンス作業を行うべきか?
・部品の現在と将来の状態をどのように推定するか?
・既存の方法はどの程度正確なのか?
・どのデータを使用すべきか?
・予知のために開発すべき意思決定ツールは何か?
これらの疑問に対し、データマイニングと機械学習(一般的には人工知能)は、どのように貢献できるのか、ということのようです。
この疑問だけ見てみると、そんなに新しい疑問はなさそうです。IoT Streamsはどこの話なんだろう。
続いて、このワークショップでの対象トピックの例です。
・予知保全と予見保全
・予知保全のための説明可能なAI
・故障の検出と診断
・故障の切り分けと特定
・部品や機械などの残存耐用年数の推定
・製品やプロセスの品質予測
・異常検知
・早期故障検出と分析
・プロセスの自動最適化
・自己回復と自己修正
・FDD と異常検出のためのインクリメンタルな進化型モデル(データ駆動型とハイブリッド型)
・予知・予測のための自己適応型時系列モデル
・FDDと予測のための適応的な信号処理技術
・動的予知保全システムにおけるコンセプトドリフト問題
・動的予知保全における能動学習と実験計画法(DoE)
・システムのフォールトトレラント制御
・産業プロセスのモニタリングとモデリング
・保全スケジューリングとオンデマンド保全計画
・視覚的分析と対話的機械学習
・意思決定支援とリソース最適化
・不確実性の下での計画
・使用パターンの分析
FDDは、Fault Detection and Diagnosis (故障の検出と診断)のことのようです。
実務的には、これらはどれも関わるのでしょうか? 知らないものがほとんどです。
早期故障検出というのは、今回相談のあったクライアントもニーズとして話が出ていたものに近いのかもしれません。故障に近づいている傾向を検出したい、といったようなイメージです。
最後に、ワークショップ発表された論文タイトルを眺めて終わりにしたいと思います。
・オンライン異常説明:予知保全のケーススタディ
・データ駆動型システムモデリングを用いた故障予測:メトロ・ド・ポルトのデータセットのケーススタディ
・鉄道開閉器のためのオンラインデータドリブン予知保全アプローチ
・curr2vib:破損したローターバー検出のためのモダリティエンベッディングトランスレーション
・市バスの空気漏れ検出のためのデータ駆動型アプローチへの物理ベースモデルの組み込み
・故障検出のための幾何学保存領域適応にむけて
・研究分野としてのXAIの進化を追跡するための体系的なアプローチ
・グラフ編集距離による頻出一般化サブグラフマイニング
ストリーム感はあるんでしょうか?
まとまりの無い記事になってしまいましたが、勉強することはたくさんありますね! クライアントのためにも勉強していきます!
メモ的に、前回(2020年)のワークショップのの開催時に行われていたチュートリアルの動画を見つけたので貼り付けておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=7lsi-ln1uUI
株式会社分析屋について
ホームページはこちら。
noteでの会社紹介記事はこちら。
【データ分析で日本を豊かに】
分析屋はシステム分野・ライフサイエンス分野・マーケティング分野の知見を生かし、多種多様な分野の企業様のデータ分析のご支援をさせていただいております。 「あなたの問題解決をする」をモットーに、お客様の抱える課題にあわせた解析・分析手法を用いて、問題解決へのお手伝いをいたします!
【マーケティング】
マーケティング戦略上の目的に向けて、各種のデータ統合及び加工ならびにPDCAサイクル運用全般を支援や高度なデータ分析技術により複雑な課題解決に向けての分析サービスを提供いたします。
【システム】
アプリケーション開発やデータベース構築、WEBサイト構築、運用保守業務などお客様の問題やご要望に沿ってご支援いたします。
【ライフサイエンス】
機械学習や各種アルゴリズムなどの解析アルゴリズム開発サービスを提供いたします。過去には医療系のバイタルデータを扱った解析が主でしたが、今後はそれらで培った経験・技術を工業など他の分野の企業様の問題解決にも役立てていく方針です。
【SES】
SESサービスも行っております。