ジュニアNISA保有ランキングから考える
こんにちは。
データを見れば他の投資家の考え方がわかる!
ということで、今回の記事。
楽天証券のオウンドメディアであるトウシルで香ばしい内容の記事がありましたので紹介します。
これを見ながら、他の人がどのような考え方で投資をしているのかを知ろうという、とても下世話な内容の記事になります。
さて、それでは本題。
個別株の保有ランキングを見ますと、ジュニアNISAに限らず、全体的に高配当や優待株が多いですね。
一般NISAを見ると、優待目当てのイオンがランクインしてきます。
かつて高配当であった日産は10位にランクイン。
これはゴーン氏の事件前から持っている人の塩漬け分かと思われます。
ちなみに、コロナ前の日産は高配当で、日本株買付ランキングの上位銘柄として有名でした。
しかし、ゴーン氏の事件や内部でのゴタゴタなどで経営がガタ落ちし、株価も配当も悲惨な状態になっています。
現状、株価は落ちるところまで落ちているので、業績回復によるキャピタルとインカムの伸びを期待して青田買いするパターンもなくはないですが、わざわざ非課税枠を使ってまでそんなギャンブルするのは合理的ではないので、おそらく塩漬けになってる分だろうなと思ったわけです。
一般NISA第5位の楽天にしても似たようなもんかなと思います。
ただ、こちらはそもそも配当は薄いため、キャピタル狙いの投資家がNISA枠使って買っていたのだろうと思われますが、その多くは含み損でしょう。
(私も絶賛含み損中ですw)
こういった「ギャンブル銘柄」はコアサテライト戦略におけるサテライト分のうちの数%に留めておかないと悲惨なことになります。
楽天証券全体で見ると楽天株がなんと一位。
含み損仲間の多さに心が安らぎますね。笑
そして下位には航空株がランクイン。
コロナ後の回復期待で多くの人が買ったため、保有ランキングの圏内に入ってきたのではないかと思われます。
これらは長い目で見るとキャピタル取りやすそうですが、あまりに分かりやすいストーリーなので今更エントリーするのはなんだかなぁ〜という感じです。
そういえばイオン株主特権の一つに、優待カード提示によるイオンラウンジの無料利用というものがあるのですが、イオンの株主が増えすぎでイオンラウンジが混雑し、そこら辺の休憩所とほとんど変わらない状態になってしまったことがありました。
そこからのコロナ蔓延でイオンラウンジは閉鎖、現在は利用可能となっていますがまぁいろいろと面倒くさい手続きやルールがありまして、結果的に魅力が薄れています。
2017、18年までくらいのまだ混んでいない頃には事前予約も必要なく、時間制限もなかったため、ここでの写真をTwitterとかに上げて、「株主であるおれ優雅だろぉ〜?」みたいなワイルド杉ちゃんドヤツイートをよく見たものです。
そして現在…
30分の時間制限で同伴1名では子供すら連れて行けません。
もはやこの制度必要ですか?のレベル。
とはいえ、優待カードの割引率はなかなかのものですから、イオンのヘビーユーザーであれば株主になるのは大いに利が多いと思います。
個別株まとめ
ジュニアNISAに限らず、まぁ大方の予想通り、高配当や優待株が人気。
また、楽天や日産、航空株などのキャピタル狙い銘柄も入ってきている。
個人的な考えを申し上げれば、ジュニアNISAは制度終了に伴う引き出し自由はあるものの、複利の享受による資産増加という点において、高リスクの個別株ではなく、投信の方がいいんじゃないかなと感じています。
また、優待や配当狙いの目的からしてジュニアNISAというものが、子供の資産増加のためではなく、オトナ達のオモチャにされてる感がまだまだありますね。
コロナの頃にジュニアNISA買付ランキングの上位に日経ダブルインバースやソフトバンクGがランクインしてたことがありましたが、その頃からすればマシになったものの、そりゃジュニアNISA制度がその趣旨に反した使われ方(子供用の非課税口座で親がギャンブルし大きく含み損を出す。)をされていると問題になり、制度終了の一因になったことも納得がいくというものです。
ということで次は投資信託編です。
投信保有ランキングはまともだなぁーと思って見ていると、なぜかジュニアNISAの7位にレバナスが…
皆さんご存知の通り、レバレッジ投信は上がれば2倍、損も2倍などという単純なものではなく、ヨコヨコ相場で減価する特性を持っていますから、そもそも長期投資に適した商品ではありません。
「元銀行員主婦 コイケブログ」さんの記事が分かりやすかったので引用いたします。
2022年、ナスダック総合指数が下落基調の時、「いつかは元に戻るんや!今こそ積みレバやー!」
といって下落基調の中、レバナスを積み立てる勇者が続々と出現しましたが、元に戻っても結局のところ、以下のようにしかなりません。
いつかじっちゃまも言うてましたが、レバレッジETFは、短期投資の商品にも拘らず、長期投資も可能であるとの誤解を投資家に抱かせぬよう、direxionのレバレッジETFには「daily」の語をつけるよう米SECから要請があったみたいです。(確か)
さらに言うと、レバレッジ投信の投資勧誘は証券外務員1種でないとできません。(2種ではダメです。1種資格保有者の同行があってもダメ。)
とても厳しいのです。
それほどまでに投資家に誤解及びそれに伴う大きな損失を与えかねない商品設計であるということです。
そんな商品を、子供の将来のための資産形成ツールであるジュニアNISA枠でやっちゃう人がいるんですから金融リテラシーって大切だなと改めて感じます。
コロナで株がボロボロの時、「まだ下がるやろ」とジュニアNISA口座で日経ダブルインバース買ってた人たち息してるんだろうか。。
本題に戻ります。
この記事では、このように分析されております。
言ってることがめちゃくちゃなの、わかりますよね。
まず、ジュニアNISAに資金投入できる資金量の家庭が多いからレバ投信が多いという理屈が意味不明です。
お金持ってる=レバ投信買う
そんなわけないやろと。
「一般及びつみたてNISAの制度がある中、わざわざジュニアNISAに資金投入するような人は投資知識がある」というのは理解できます。
しかしその後の文章、
「資金力と投資知識でレバ投信買って少しでも増やしてやろうという目的意識があることが背景にある」
それは、
「子供たちへの投資として、客観的かつ長期的な目線で考えやすいことの影響もあるのかもしれない」と。
少しでも増やしてやりたいからレバ投信というのは理解できますが、
そもそも、まともな投資知識があれば、レバ投信に長期投資なんてクレイジーなことはしません。
客観的、長期的視座で物事を考えるならなおのことです。
(そういう人はオルカンか米国では?)
結論
総合的に申し上げると、
非課税枠で個別株塩漬け中とか、子供の将来のために少しでも増やしたいから長期でレバナスとか…
大変失礼な言い方になりますが、中途半端な知識でわかった気になって投資してる層が一定数いるのではないかと感じました。
また、このトウシルというメディア、私なんかよりよっぽどカシコな人が記事書いてる割にはめちゃくちゃな内容です。
ですが、上で私が書いたようなことは執筆者の方は当たり前に知っているでしょうから、そうなるとこんな記事書く理由はただ一つで、レバ投信の販促のためと考えるのが合理的でしょう。
子供のための長期投資をレバ投信で運用とか正気の沙汰ではないようなことを普通に勧めているような書き方です。
執筆者は金融商品仲介業の会社を設立したようですし、楽天証券としてもレバ投信や個別株(特に楽天株)を買ってくれる方が都合がいいしで両者の望みがマッチングしたのでしょう。
(米国とかオルカンよりもレバ投信の方が販売会社に入る手数料が少し多い)
よって、今回私が言いたいこととしては、
①中途半端な知識は投資において障害となりうる。
②投資メディアの情報(ホンネの部分)を読み解くリテラシーが必要。
の2点です。
特に②については、探究心、向学心がある人がこういったメディアからインプットして、賢くなった気になってしまい、その中途半端な知識と、これまた中途半端なプライドで後に痛い目に遭うというピットホールにハマりがちです。
…さて、なぜここまでディスるかわかります?
これは過去の私だからです。
皆さんに向けて言ってはいますが、何割かは私自身に向けて言っています。
こんな投資家になってはいけません。
ではでは。今回はこのへんで。
あざした。
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