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(必ずわかる!)新興国と先進国の関係

(タイトル画像 テレ東Bizより引用)

必ず分かるシリーズ第一弾。

この記事は投資初心者や教養として経済のことを知りたいひとのためにつくられています。

私自身、投資を始めたばかりの頃、経済の動きを全く理解できず、ニュースを見てもわけわかめちゃん。
 それならと思ってググってみると証券会社や投資ブロガーの記事に専門用語のオンパレード。

 「初心者でも理解できるほど噛み砕かれた記事で、そこへ行けばさまざまな情報が得られる。」

私が当時求めていたものを実現できるかもしれないかもとの思いでこの記事、というかマガジンをつくりました。

それでは、ごゆっくりご高覧くださいませ。


そもそも、新興国ってなに?

日米欧などの先進国に対し、現在の経済水準はまだ低いものの、高い成長を秘めた国々のことをいいます。
SMBC日興証券より(原文ママ)

まず、そもそもの話として、世界経済の中心はアメリカであり、世界の基軸通貨は米国ドルです。
ですのでアメリカの動きによって全世界が影響を受けます。

新興国金利<米国金利の場合


例えば、アメリカで利上げがなされたとしましょう。 (もしくは新興国利下げ)
投資マネーは金利の低いところから高いところに移りますから(儲かるから)、新興国から米国に移ります。(アメリカはデフォルト(=債務不履行。オワタの状態)リスクが低いので尚更)

 米ドルに投資マネーが移るので米ドルが買われます。すると相対的に、

新興国通貨安、ドル高

になります。

 ドル高になるということは輸入物価が押し上げられます。
(世界の基軸通貨はドルです。ドルで払うので自国通貨をドルに替えなければなりません。)

すると輸入品(食べ物とか石油とか幅広く)の値段が上がり、インフレ状態(物価↑通貨価値↓)になります。

今の日本と同じですね。需要増によるインフレではなく、物価高騰によるインフレです。
 (前者をディマンドプルインフレ、後者をコストプッシュインフレといい、これは外部要因によるインフレであり、悪性インフレと呼ばれます。)

話を戻します。

国民的な目線で言うと、輸入品の物価が上がりますから生活は苦しくなります。

新興国通貨安、インフレ状態になった新興国はドル建ての対外債務が膨張します。
(自国の発展のため、主に先進国から借金しています)

それにより政府及び企業のデフォルトリスクが増大します。

ということで投資マネーがさらに引き上げられます。

そして、いくところまでいったとき、これはマズいぞと政府が為替介入する場合があります。


つまり、自国通貨を買い、持っているドルを売ります。

ですが、これも長くは続きません。
持っている外貨の量(外貨準備高といいます)は無限ではないからです。

 また、あまりにも外貨準備高が減ると対外債務に対するデフォルトリスクが増大します。

新興国金利>米国金利の場合


先程と逆のパターンを考えます。

米国が利下げしました。(もしくは新興国利上げ)

相対的に新興国金利が上がることになるので投資マネーは新興国に流れます。

新興国通貨高、ドル安になります。

輸入物価は下がりインフレ抑制、ドル建て債務は相対的に減少しますから政府、企業の破綻リスクは減少します。
(自国通貨高なので輸出企業にとってはマイナスの影響)


しかしながら、政策金利の高い状態であればそれは金融引き締めを意味します。
(市中金利も高くなり、返済額が増えるため国民が銀行からお金を借りにくくなる)

例えば、国内の景気が悪い時にこれやったらどうなると思いますか?

経済がめっちゃ冷え込みます。

「自国の経済が疲弊しているため先進国などから投資マネーを呼び寄せたいから利上げする」

 はとんでもない悪手だということです。

そういった場合、利下げに舵を切ることになります。

この後の予想としては、経済冷え込みにより国民生活が苦しくなりだいたい為政者の支持率が低下します。汗



金融政策に伴う影響は新興国でも先進国でも似たようなものですが、
新興国のつらいところは国力の弱さや経済基盤の不安定さゆえ自国通貨建で借金しにくいというところかと思います。

 米国はドルが基軸通貨ですから経済政策の自由度が半端ないですし(新興国はそれに巻き込まれる)、日本の場合をみても安い国債利回りでとんでもない額を借金してます。

あれだけ借金しても国債利回りは変わらないのですから(黒田おじさんが変えない限り)、日本国債の信頼どんだけ〜てなもんです。
(実際のところ国債発行の多くは国内消化)

一方、新興国(特に中南米諸国)は対外債務(ドル建て)がメインですから米国の金融政策に他の先進国以上に影響を受けます。

 国内で消化できないので、自国の状況が悪くなったとき、投資者が資金を引き揚げてしまうリスクもあります。


実際、ここのところの急激な米利上げの影響によりヒーヒーいうてる新興国が多いとのニュースがありましたね。

結論

ものすごく単純化すると、
「新興国は経済政策の自由度が低く、先進国の影響を受けやすいので長期的、計画的な発展がしにくく、新興国は新興国のまま」

という感じで私は捉えています。

新興国に長期投資しない理由はこれです。

とはいえ、今後、米国がリセッション(景気後退)に陥れば新興国に投資マネーが流入するとのことで新興国の時代が再びやってくると考える向きもあります。

 ここ10年は新興国は不遇の時代でしたから休養も充分でしょう。

 ただ、新興国投資を本気で考えるようになったとき、上記のような特徴があることに加え、その国の経済、産業構造などを理解した上で投資なさることをおすすめします。

あざした。

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