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獣医師はやめとけ?需要・将来性をデータとイラストで可視化してみた【市場分析】
どもー。
分析太郎です。
今回は獣医師の
市場分析レポートです。
仕事の将来性を把握する上で、
市場分析は必要不可欠です。
起業するにせよ転職するにせよ、
将来性を把握しておかないと
キャリア選択で誤った道を
選びかねません。
なので分析太郎が、
データとイラストを駆使して、
将来性を分析しました。
それでは、見ていきましょう。
【※1】
本記事での「獣医師」は
小動物臨床獣医師(一般的な
動物病院の先生)を指します。
【※2】
こちらの記事は1件購入ごとに
300円値上がりするよう
設定されています。
おかげさまで、
記事の総購入数が100件を超えました。
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【前編】獣医師の将来性
まずは需給バランスを理解する
前編では、獣医師業界の
将来性を確認していきましょう。
その前に、需給バランスについて説明します。
世の中には様々な市場があり、
その中でお金が取引されています。
そして市場の中には、
供給(事業者)と需要(お客様)が
存在します。
これらを釣りで例えるなら、
市場=釣り堀
供給=釣り人
需要=狙っている魚
と言えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492255740-Vm5XxYJ9WL.png?width=800)
そして、需要と供給にはバランスがあります。
イラストにするとこんな感じです。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492262485-Ecc6ylqy0T.png?width=800)
本レポートでは、
獣医師市場が4つのうち
どこに分類されるかを、
行政機関と業界団体のデータを
フル活用して考察していきます。
それでは、本題に話を移しましょう。
獣医師業界の市場規模は?
それでは最初に、
獣医師業界の
市場規模を確認しましょう。
経済センサス活動調査(総務省・
経済産業省)のデータによれば、
2021年の土地家屋調査士の市場規模は
5,335億円、推移は増加傾向でした。
グラフを作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492260493-gMHingzVij.png?width=800)
出典①:平成24年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:平成28年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典③:令和3年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
いい具合に増加傾向にありますね。
事業所一カ所あたりの売上高も
増加傾向にありました。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492264047-Yxpgxkin4m.png?width=800)
出典①:平成24年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:平成28年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典③:令和3年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
従業員一人あたりの売上高も
増加傾向です。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492261093-1y7bGCL3w0.png?width=800)
出典①:平成24年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:平成28年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典③:令和3年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
かなり堅調に推移しているようです。
同規模の市場には
下記が挙げられます。
企業向け研修サービス(5,270億円)
飲用牛乳(5,756億円)
自動車教習所(5,805億円)
国内市場の立ち位置としてはこのあたりです。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492260268-j4ZBVq8tVP.png?width=800)
出典:市場規模マップ
この市場で、需給バランスは
どうなっているのでしょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492259291-SUHhGeHVnD.png?width=800)
確認していきましょう。
獣医師市場の供給の推移
それでは、獣医師市場の
需給バランスを確認しましょう。
まずは供給から確認します。
獣医師数の届け出状況(農林水産省)の
データによれば、2020年の獣医師数は
16,203人、推移としては増加傾向でした。
グラフを作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492260969-0yGeIY2P4Y.png?width=800)
※個人診療施設 犬猫 の小計から
出典①:平成16年獣医師の届出状況
出典②:平成18年獣医師の届出状況
出典③:平成20年獣医師の届出状況
出典④:平成22年獣医師の届出状況
出典⑤:平成24年獣医師の届出状況
出典⑥:平成26年獣医師の届出状況
出典⑦:平成28年獣医師の届出状況
出典⑧:平成30年獣医師の届出状況
出典⑨:令和2年獣医師の届出状況
ペースは緩やかになりつつありますが、
増加傾向は続いているようです。
では、動物病院の数はどうでしょうか。
法人と個人診療所で、かつ小動物の診療を
中心に行っている施設の推移を確認しましょう。
グラフを作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492258569-jSkPYugf5C.png?width=800)
※「法人 小動物、その他」「個人診療施設 小動物、その他」の合計値
出典:H16~R4 飼育動物診療施設の開設届出状況(農林水産省)
動物病院も増加傾向にありました。
獣医師の数が増えているので、納得できる
推移ですね。
これまでの情報を整理してみると、
獣医師の数は増加傾向
動物病院数も増加傾向
従って、
獣医師市場の供給は
拡大していると言えるのでは
ないでしょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492264586-oumNNhWJrd.png?width=800)
では、需要はどう
推移しているでしょうか。
確認していきましょう。
獣医師市場の需要の推移
それでは、
獣医師市場の
需要を確認しましょう。
供給が増えているので、
需要も増えていないと困りますね。
それでは、ペットの中でも
最もウエイトを占めるとされる
犬と猫の飼育頭数推移を
確認しましょう。
まずはわんちゃんからです。
全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人
ペットフード協会)の調査によれば、
2022年の犬の飼育頭数は705万3千頭、
推移は減少傾向にありました。
グラフを作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492259888-i7M78KUY81.png?width=800)
出典①:2004年犬猫飼育率全国調査(一般社団法人 ペットフード協会)
出典②:データで読み取るペット業界。飼育頭数減少の真実(PETRA)
出典③:2009年犬猫飼育率全国調査(一般社団法人 ペットフード協会)
出典④:2010年 全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
出典⑤:2012年 全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
出典⑥:2022年 全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
2022年の飼育頭数は
2004年(18年前)と比較して
45%減少していました。
これは獣医師にとっては
痛手ですね…。
では、ねこちゃんの推移はどうでしょうか。
グラフを作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492261592-4iOk2aX1Mo.png?width=800)
出典①:2004年犬猫飼育率全国調査(一般社団法人 ペットフード協会)
出典②:2009年犬猫飼育率全国調査(一般社団法人 ペットフード協会)
出典③:2010年 全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
出典④:2012年 全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
出典⑤:2022年 全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
2022年の猫の飼育頭数は
2004年(18年前)と比較して
15%減少していました。
ただ、犬と違い近年は微増傾向です。
では、犬と猫の推移を
指数化して比較してみましょう。
2004年時点を100と指数化した
値の推移を確認しましょう。
グラフを作りました。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492258795-9br5TS7ZjU.png?width=800)
※2013年時点を100とする
出典①:2004年犬猫飼育率全国調査(一般社団法人 ペットフード協会)
出典②:データで読み取るペット業界。飼育頭数減少の真実(PETRA)
出典③:2009年犬猫飼育率全国調査(一般社団法人 ペットフード協会)
出典④:2010年 全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
出典⑤:2012年 全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
出典⑥:2022年 全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
2004年比較でどちらも減ってます。
そして、減り幅は猫よりも犬の方が大きいです。
その理由は案外明確で、
管理コストが犬は猫の2倍あるからです。
グラフを作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492255708-wMl7jxpBfD.png?width=800)
出典:令和4年 全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
この不景気の中で、
管理コストの差は
ペット購入時の選択に
大きな影響を与えるでしょう。
話が若干それましたね。
需要に話を戻します。
では、動物病院代の支出は
どのように推移しているのでしょうか。
家計調査(総務省)のデータによれば、
2022年の一世帯当たりの
動物病院代は5,868円で、
推移はコロナ禍以降減少傾向にありました。
グラフを作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492259630-ngm7JqVu3u.png?width=800)
※家計調査より【84X 他の理美容代】から算出
出典:家計調査(総務省)
2021年以降ガクンと減少していますが、
コロナ前までは増加傾向にありました。
これについては
2つの見方があります。
「今後も成長する」
という見方と、
「今後は衰退する」
という見方です。
それぞれ考察していきます。
まずは、
「今後も成長する」
という見方についてです。
その根拠には、
「ペットに対する家族意識の高まり」
があります。
ペットに対する家族意識の高まりは
ここ数年特に言われるようになりました。
その意識の高まりは、ペット用品の
支出金額にも現れています。
グラフを作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492261299-Jw5wGny2TT.png?width=800)
※動物病院代は含まない
出典:家計調査(総務省)
15年間で53.2%増加していました。
そして、ペット用品支出金額と
動物病院代には相関関係がありました。
グラフを作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492256992-sukBGtLmWl.png?width=800)
出典:家計調査(総務省)
![](https://assets.st-note.com/img/1694492257483-Kj2Z8TM2TM.png?width=800)
従って、
ペットを大事にする意識が
高まるほど、ペット周りの支出金額も増え、
ひいては動物病院代の支出も
多くなることが想定されます。
これが
「今後も成長する」
という見方です。
では、
「今後は衰退する」
という見方についても確認しましょう。
その根拠には、
「2000年代前半のペットブーム」
があります。
犬猫の飼育頭数のグラフを
見て頂くとおかわりのように、
2000年代前半は飼育頭数が
かなり多いです。
そして、
コロナ前までの動物病院代の
上昇傾向は、その当時に飼われた
ペットたちが高齢化し、通院する
頻度が多くなっただけと考えることが
できます。
2022年全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人
ペットフード協会)の資料では、
犬猫の平均寿命は
犬:14.76歳
猫:14.24歳
と報告されています。
2023年の15年前は
2008年ですから、
ちょうどペットブームと重なるわけです。
つまり、
現在の動物病院代の上昇傾向は、
2000年代初頭のペットブーム時に
飼われたペットたちの老衰による
いわば特需のようなものであり、
その後需要が下がる可能性がある、
と考えることができるのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492261845-tZlUKCIxZr.png?width=800)
出典①:2004年犬猫飼育率全国調査(一般社団法人 ペットフード協会)
出典②:データで読み取るペット業界。飼育頭数減少の真実(PETRA)
出典③:2009年犬猫飼育率全国調査(一般社団法人 ペットフード協会)
出典④:2010年 全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
出典⑤:2012年 全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
出典⑥:2022年 全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会)
これが、
「今後は衰退する」
という見方です。
今後需要がどう推移するか、
注視しておく必要がありますね。
さて、ある程度データが出揃いました。
それでは、結論に入りますね。
分析太郎の結論
まとめると、
獣医師市場の需給バランスはこうです。
供給:獣医師も動物病院室も増加傾向
需要:2000年代当初と比較すると犬猫の飼育頭数は明確に減少傾向だが、動物病院代はコロナ前まで増加傾向。コロナ開けが増加が期待される。
結論を出しますね。
冒頭の需給バランス四分類で言えば、
ここに当てはまりつつあるのでは
ないでしょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1694492263776-h4mqixk648.png?width=800)
釣り堀(=獣医師市場)の中で、
釣り人(=獣医師)は増えているが、
魚(=ペット飼育頭数、動物病院代)は
増加も減少も想定されることから、
このような結果になりました。
決して過疎ってる市場ではありません。
とはいえ、激アツとも言いがたいです。
いかがでしたでしょうか。
ただ、これは日本全体の需給バランスであり、
当然ですが地域によって偏りが生まれます。
まともに食べていけない地域もあれば、
儲かってウハウハですという地域だって
あるかもしれません。
そこで後編からは、
都道府県別に獣医師市場の
レッドオーシャン・ブルーオーシャンの
都道府県を特定していきます。
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