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その国の王さまは植木鉢でした。 王宮のテラスにすこしくすんだオレンジ色のお姿であらわれ、暖かいお声で「余に育てられぬものはない。どのような種でも必ず芽吹き育てて見せる」と人びとに語りかける頼もしい王さまです。 王さまの言葉に嘘はなく、サクランボを埋めればサクランボが、麦の種を埋めればスイカが、明太子を埋めれば明太子が育ちます。 おかげで王国の人びとは食べ物に恵まれ豊かな暮らしを送っていました。 あるとき、悪ガキが夏休みの宿題を王さまにやらせようと考えましたが、答えの書