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“文学少年の憂鬱“

最近、少しキャパオーバーのようだ。
わかっている。どうせ、長くは続かない。
そのうちまたどうでも良くなるのだ。
何度も何度も経験してきた。
その度に乗り越えて、また束の間の平穏を手に入れる。


分かっている。ただ、今は少しだけ怖いのだろう。
どこへ行っても、ダメな自分だけが追いてくるのが。


バイクで日本一周したあとにダムから飛び降りた少年も
きっとこんな気持ちだったのではないだろうか。
何かが変わると思ったのだろう。
環境を変えて、刺激を得て、その先に何かがあると
少しでも期待したのではないだろうか。
行けども行けども追いてくるのは、ダメな自分だけ。


もしかしたら少年は違うのかもしれない。
それは私には分からない。
けれども、私はそれを自分に当てはめて今実感しているのだ。
太宰治の人間失格だってそうだ。
道化師として生き、それなりに苦楽を乗り越え、最高の瞬間も手に入れる。
自他ともに欺いてきた己の二面性に肩を掴まれ、ふりかえればそこには自分にさえも不自然な笑顔で突っ立っている道化師が目に映る。


楽しい。国境を跨ぐのも、都会の景色も、知らない人と話すのも、挑戦するのも、全部楽しい。全部正解だった。自信も、自己肯定感もそこで得ることができた。


だからこそ、怖いんじゃないか。
ダメな自分だけが後を追ってくることに怯えている。
わかっている。全部、言葉にできるほどにはわかっているつもりだ。


ここを乗り越えればまたしばらくは平和な日々だ。
ネガティブな感情は私の原点であり、何れエネルギーになるものだから
包み隠さずにここに置いておくことにする。



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