コーヒーと優しい言葉を

コーヒーの苦味はささくれた心の痛いところを撫でる


1週間走って息が上がった

吐く息が

コーヒーから香り立つ煙のように

尊いなと思う


日曜日は、お洒落なカフェに朝一で駆け込めばいいか

いいかんじの音楽があればいいな

こんなに生きてきたけど

こんなことしか思い浮かばないけど

こんなことが救いなんです


カフェに駆け込んだらオーダーする

「優しい言葉をいっぱいつめた瓶をください」

「ラベルにはなんでも良いので英字の筆記体をつらねて

いいかんじにしてください」

中身があればそれでいいから



「あと、ごろごろと大きめに切ったものがよくて

蓋が閉まらないくらい多めにお願いします」

追加料金はもちろん払うつもりでいる



コーヒーと優しい瓶が運ばれてきたテーブル

開店してすぐだから、店内にはまだ誰もいない

外を見ると雪が降っている

ふとコーヒーをみると

そこにも雪が降り落ちていて、ぐるぐると溶けている

ここは店内だからそんなはずはない

スティックシュガーを入れたっけ

まあいいか


そんなコーヒーをひとくちすすると

苦かった

溶けていたのは砂糖じゃなくて紛れもなく雪だった


でも、苦いのが好きだから嬉しい


そういえば、コーヒーをすするって言い方は

誰かが使っていておもしろいとおもったから

使うようになった言葉

飲むとすするじゃ全然違うって

あの人の言ってることがわかった気がする



また優しい言葉を見つけた

これも瓶にいれておこう


私の日曜日にしては、いいな

私はその後、カフェのテーブルに突っ伏して寝た

昼前まで寝ていたようだった





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