駐在する時にマンションを賃貸に出した話

海外駐在の時に自宅をどうするかは一つのテーマである。今回は海外駐在に出た時、自宅を賃貸に出した話をしたい。基本的には時系列記したいと思うが、一部順序が前後する可能性もあるかも知れない。

1. 仲介業者選び
まずはじめにしたこととしては仲介業者に相談した。そもそも賃貸にだすにしても条件やスケジュールが良くわからないということで、とりあえず話を聞きに行った。

不動産屋は、地場の不動産屋と大手の不動産屋があったが、購入の際には大手の不動産屋を利用していて印象が良かったこともあり、大手に絞って話を聞いた。大手の不動産屋は複数話を聞いたが、概ねどこも似たり寄ったりであった。

ざっくり大手の不動産屋のサービスを言うと、毎月家賃から数%の手数料をもらって、賃借人対応をしてもらう、と言うものである。この数%によって、不動産屋がしてくれる対応の手厚さも違う。手数料が安いプランであれば、設備が故障した際の手配等はオーナーがする必要があるのに対して、手数料が高い方はそちらも不動産屋で対応してもらえる、と言ったものである。初回に契約手数料もかかるが、基本的に礼金と相殺される。

スケジュールは、退去の一、二ヶ月前に賃貸契約管理の契約を結び、退去と同じくらいのタイミングで募集開始、最短で決まれば退去から一ヶ月半程度で入居可能という感じで。退去から入居までの間は、部屋のクリーニングやリフォームをすることになる。

2. 売却か、賃貸か
以上、賃貸を念頭に話をしに行ったわけだが、持ち家の場合、売却することも可能であるため、選択肢の一つとして売却についても話を聞いた。

売却の場合には、周辺相場からざっくり査定してもらい、その査定額と賃貸に出した時の家賃収入等を比較検討しながら、売却にするか、賃貸にするか、検討することになる。

我が家は、結論的には賃貸にすることにした。まず売却の場合は、3年間で相場が上がっていないことが大前提になる。海外駐在中の資産運用は面倒なため、基本的に売却益をキャッシュで待つようなことになる。そうした場合、売却しても3年後買い戻すには相場が一定の必要がある。今のようなインフレ時には基本的に賃貸の方が安全である。

当時はコロナ禍であり、ワークフロムホームの普及もあり、特にファミリー向けマンションの不動産相場が上がりはじめたくらいであった。自分自身、その時点でも購入時から値上がりしてたが、これ以上値上がりすると書い直すのがどんどん難しくなると思い、賃貸に回すことにした。

3.普通借家か定期借家か
賃貸に回すとした場合、今度は家賃と期間を設定する必要がある。契約種別としては、更新を前提とした普通借家と前提としない定期借家の2種類があり、駐在終了後自宅に戻ることを希望するのであれば、定期借家が基本になる。普通借家にすると、賃借人が出て行かない限り、更新を続けることになり、いつ自宅が空くか不明である。

通常の駐在期間は横滑りがなければ、3〜5年であることが多い。我が家の場合、駐在期間がほぼ固まっていたので、駐在終了時期を目安として期間を設定した。期間は◯年間といった年数でも決められるし、◯年◯月◯日など契約終了日を設定することもできるが、部屋が明け渡されてから再度入居出来るまでは自宅利用を前提としても2ヶ月を目安として確保する必要があり、終了期の設定には留意が必要だろう。

我が家の場合、駐在終了時期も見えていたことから、子供の学校の始業スケジュールを念頭に期間を設定した。

4. 家賃の設定
家賃については悩みどころであった。不動産屋からは、定期借家の場合、普通借家と比較して家賃は1〜2割引とするのが通常という話があった。また、期間が設定されている場合には、安めに設定して期間満了ギリギリまで入居してもらえるようにした方が良いとアドバイスがあった。

結局、最初は相場どおりで募集したところ、やはり反響が少なく、さっさと契約を決めたかったということもあって、募集開始1ヶ月後に1.5割ほど相場から下げた家賃に再設定した。その後、すぐに反響があり、すぐに入居者が決まった。結局、退去から2ヶ月ほどで決まったので、スムーズに決まった方だと思う。

なお、入居者は、自分と同じような歳、家族構成、職業だったので、やはり似たような属性に需要があるもんだな、と思った。

5. 契約後
賃貸契約後は入居者と連絡を取ることがなく、毎月家賃が不動産経由で振り込まれていることを確認していただけであった。

家賃収入については、毎年、確定申告する必要があり、年明けに前年度の収支報告が不動産屋からなされるため、その資料等をもって確定申告する。

我が家の場合、親を納税管理者として事前に指定して、親に確定申告してもらっていた。納税管理者は出国前に税務署に書類を提出して指定する必要がある。

以上が、駐在前に自宅を賃貸した時の話である。ほとんど備忘録であるが、同じような立場の人の参考になれば、これ幸いである。

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