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【能登半島地震】迅速な支援、息長く継続 真如苑

※文化時報2024年5月31日号に掲載予定の記事です。

 能登半島地震の犠牲者を追悼し被災した信徒を励ますため、真如苑の伊藤真聰苑主は1月18日、北陸本部(金沢市)を訪れた。境内で支援物資の積み込みを行っていた真如苑救援ボランティア「SeRV(サーブ)」のオレンジ色のビブスを着た信徒たちに声を掛けねぎらったのちに、ご宝前で伊藤苑主はこう伝えた。

 「苦しい時は南無真如と祈りましょう。真如双親様、霊尊両童子様がそこに心を寄せてくださいます。私(わたくし)も皆さまのその心に一緒におります」

 発災から間もない時期であるため、くれぐれも無理のないようにと伝えた上で声をかけたところ、このときは、被災地の信徒代表者約700人が参集したという。

 伊藤苑主の言葉には、多くの信徒を触発する力がある。北陸本部の成出裕維課長代理は「私も若い頃、苑主の言葉を直接耳にして、真如苑の職員に転職した」と明かした。

 当日、信徒の代表として伊藤苑主に体験を語った女性は、石川県七尾市の自宅に亀裂が入った。普段は交流がなかった近隣の高齢者と、初めて助け合う機会ができたという。

 「人のために尽くすという教えがあったからこそ、自然に体が動いた。一人ではできないけれど、苑主様が一緒にいると思うと導かれる。信仰の不思議な力が私を動かしている」と話した。

北陸本部で信徒の話に耳を傾ける伊藤真聰苑主

 同じく伊藤苑主と対面した別の女性は「どんな人にも分け隔てなく接するという教えがあるからこそ、被災者に自然に寄り添える」と笑顔を見せた。

支援金拠出、ボランティア…多彩な活動

 真如苑の動きは早かった。地震発生当日の元日夕には応現院(東京都立川市)に対策本部を設置。1月4日には被災地支援に総額2億円の拠出を決めた。

 同5日にはSeRV先遣隊が現地に入って情報収集を開始。北陸本部を支援物資の供給拠点とし、多岐にわたる支援活動を行った。
 
 真如苑能登支部(石川県穴水町)の駐車場を、災害支援団体が泊まる宿泊施設に使うトレーラーハウス5台の設置場所として提供した。2月16日からは穴水町災害ボランティアセンターの運営サポートを継続しており、珠洲市でも家財の搬出などの活動を計9回行っている(4月30日時点)。

宿泊施設に使われているトレーラーハウス=石川県穴水町の真如苑能登支部

 地元でも被災地支援の動きが広がっている。2月下旬に「SeRVいしかわ」のボランティア募集をかけたところ、希望者が瞬く間に100人を超えた。

 SeRVいしかわの代表者は「希望者が増えてくれてありがたい。被災地での片付け、炊き出し、足湯、清掃など、ニーズをくみ取り息長く継続していきたい」と話した。


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