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【能登半島地震】被災寺院への支援求める 日蓮宗宗務所長会議

※文化時報2024年5月10日号の掲載記事です。

 日蓮宗は4月23、24の両日、東京都大田区の宗務院で全国宗務所長会議を行い、全国74管区の宗務所長と、内局の責任者や担当役員30人以上が出席した。3月に開催された第122定期宗会で可決・承認された議案や今後の方針を説明し、質疑応答を行った。(山根陽一)

 田中恵紳宗務総長は23日の会合で、策定中の日蓮宗長期総合計画「グランドデザイン」が現在の諸問題を解決する糸口になるとの認識を示した上で、「宗門の根幹を成す言葉として、『いのちに合掌』を認知されるまで伝えていきたい」と強調した。

 また、1月の能登半島地震で被災した寺院への災害義援金勧募を全国の災害対策支部に要請し、4月9日には現地に赴き見舞いと視察を行ったと伝えた。

 23日には、石川県第2部宗務所長で珠洲市本住寺の大句哲正住職が登壇。地震発生から約4カ月が経過しても、インフラの復旧が進まない現状を伝え、さらなる支援を求めた。

 翌24日の質疑応答では、神奈川県第1部の安藤海潤宗務所長が不活動寺院対策の具体的な措置について質問。畑栄明総務部長は「今後ますます深刻化する問題と捉え、寺院問題対策委員会で解体費用のさらなる助成を検討したい」と回答した。

日蓮聖人750遠忌などについて質疑応答があった全国宗務所長会議=4月24日、東京都大田区

 兵庫県西部の安積尚志宗務所長は、教師用サイトの充実を要望。長谷川雄一伝道部長は「年度内にスケジュール管理ツールの実装化を予定している」と答えた。

 2031年に迎える日蓮聖人750遠忌については、柳下俊明伝道局長が遠忌報恩奉行会事務局長に就任し4月17日に第1回委員会を開催したことを報告。また、遠忌の諸事業のために「莫大(ばくだい)な宗費」を徴収する予定はないとも明言した。

同心会、宗務所長らと懇談

 宗会会派の同心会(藤田尚哉会長)は24日の全国宗務所長会議終了後、東京都大田区の朗峰会館で、宗務所長らを招いて懇談会を開催した。藤田会長は、日蓮宗長期総合計画の詳細が未発表であることを改めて指摘した。

 野党会派として内局の行政を厳しく監視すると同時に、困難な時代を乗り切るため、挙党一致で協調する姿勢も重要であると主張した。

 持田貫信政策委員長は同心会の活動報告の中で、能登半島地震の復興支援策を巡り、本来は過疎地対策である「特区指定」を提案すべきだと強調した。また、男女の有髪などを勘案した新たな教師・教師補や信行道場の在り方についても言及した。

 多くの宗務所長が懸念する、日蓮聖人750遠忌の勧募に関して、ベテランの同心会議員は「来年行われる宗会議員選挙の重要な争点になるだろう」と話した。

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