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不安に効く薬

※文化時報2023年12月15日号掲載の社説です。

 せき止め薬やたんを切る薬などの医療用医薬品が、全国の病院や薬局で不足している。

 日本製薬団体連合会による今年10月の調査では、全ての注文に対応できない「限定出荷」や「供給停止」となった医薬品は、全体の23.7%(3970品目)を占めた。国は主要な製薬会社に増産や在庫の放出を要請しているが、事態はなかなか好転していない。

 供給不足のきっかけは、ジェネリック医薬品(後発薬)メーカーの不正問題だ。

 福井県の会社で2020年、内服用の抗真菌剤に睡眠導入剤の成分が混入し、健康被害が出たことが判明した。この会社は二重帳簿の作成や品質試験結果の捏造(ねつぞう)などの不正を長年にわたり行っていたことも分かり、過去最長となる116日の業務停止と業務改善命令を受けた。

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