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「安置葬」故人と過ごす 想送庵カノン

三村麻子社長に聞く

※文化時報2021年9月9日号の掲載記事です。

 弔いの形を追求し、「安置葬」という全く新しい葬儀を提唱する葬儀会場がある。「想送庵カノン」(東京都葛飾区)。運営会社の三村麻子社長(57)は、10代の娘を亡くした経験をきっかけに、遺族にとって理想の葬儀は何かを追い求めてきた。新型コロナウイルス感染拡大でままならなくなった「最期の別れ」に、どう向き合っているのか。僧侶へ期待する役割を含めて尋ねた。(山根陽一)

――「安置葬」とはどのような葬儀ですか。

 「亡くなった方のそばにいたい。顔を眺めていたい。寄り添って眠りたい。身近な人の死に接したとき、そう思うのは当たり前です。安置葬は、そうした願いをかなえる場。家族や友人に、時間をかけて心ゆくまで弔ってもらうのです」

 「お葬式といえば形式や段取りが重視され、慌ただしさの中で過ごすものと思われがちですが、死を悼むという行為は本来、安らかな時の流れの中にあるものだと思います。私自身、15歳の娘をがんで失い、他のメンバーも家族を亡くした経験があります。その体験を元に、遺族にとって一番いい葬儀とは何か、全員で考えました」

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