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【ワールドトリガー考察】個人ポイント・個人ランキング関連

 今回は作中の描写や公開されている情報から、B級中位までの攻撃手、銃手、射手、狙撃手、万能手の個人ポイントや個人ランキングについて考察しまとめていこうと思う。
 最初に部隊のランク順に各ポジションの隊員を並べて表を作り、次に作中で具体的に公開されている順位やポイントのみを記載していく。そして論理や作中描写からの推測などを基にして考察した順位やポイントを空いている部分に記載していく…という流れで表を埋めていく。

 「メイントリガー」項目は、万能手以外はBBFで紹介されたトリガーセットの右上にあるトリガーと同じ適正距離のトリガーが他にセットされていない場合のみ記載し、二刀流の使い手で全く同じトリガーがメインとサブに1つずつセットされている場合もそれを記載している(例:攻撃手の太刀川は装備している攻撃手用トリガーが両手の弧月のみなので、太刀川のメイントリガー欄は弧月という記載になる。一方攻撃手の王子はメイントリガーに弧月をセットしているが、サブにスコーピオンもセットしており、どちらのポイントが高いかは作中の具体的な情報では判別できないため記載しない)。

 また、データを集めている最中に思いついた「風刃候補者1万超え仮説」というものがある。その名の通り、43話で迅が挙げた11人の風刃の候補者は全員個人ポイントが10000ptを超えているのではないか、という仮説である。
 その11人の内訳は、風間、嵐山、木虎、加古、佐伯、生駒、片桐、雪丸、弓場、村上、三輪。この「11人」という数字は、3年前の風刃争奪戦時点での適合者の人数「20人以上」より明らかに少ない。BBFの入隊時期グラフのボリュームゾーンが2年くらい前になっている点から、ボーダーの隊員は減ることなく年々増えていると予想され、偶然3年前時点での風刃適合者の多くが進学・就職・戦死などの要因でボーダーを離れていない限りは、風刃の適合者は増えていて然るべきなのである。
 この不自然な適合者の減少は、「43話で挙げられた適合者は何らかの基準のもと選定された11人である」とすれば説明できる。3年前の風刃争奪戦はポジションや正隊員・訓練生を問わず、下手をすればエンジニアや一般職員までもが参加した、ボーダー全体での争奪戦だった可能性があるからだ。
 以上から、適合者は3年前より増えているが、何らかの基準の元で選定されているため、迅が挙げた候補者は減った、と考えられる。

 その選定の基準として最も分かりやすいのが隊員の強さである。11人のうち、個人ポイントが既に判明している、もしくはこの後の考察で大体のポイントを推測できたのは風間、加古、生駒、片桐、雪丸、弓場、村上の7人で、最低8500pt以上と推測される加古以外は10000pt超えが確定、もしくは最低でも約9700pt以上であった。その加古もA級1位にまで上り詰めたことがあると考えると10000ptを超えていてもおかしくない。推測できなかった嵐山、木虎、佐伯、三輪も、嵐山と三輪は万能手ランキング2位と3位、木虎は入隊時に破格の3600ptを付与された逸材であることを考えるとこちらも10000ptを超えていてもおかしくない。以上のように10000ptに到達していない可能性がある隊員より10000ptに到達している可能性が高い

 以上の根拠から、この考察は「風刃候補者1万超え仮説」(以降「風刃仮説」)をもとに行っていこうと思う。

 また、当然のことではあるが、ボーダー隊員の個人ポイントの天井は個人総合1位の太刀川(45961pt)であり、他の隊員は45960pt以下であることが確定している。当然のことなので表記を見やすくするためグラフには記載しない(例:個人総合2位の二宮のポイントは14783pt以上45960pt以下だと考えられるが、表記が長くなり煩雑になるため記載しない)。

(元の文は執筆途中なのを忘れたまま2年以上塩漬けにされていた。最新情報も併せて考察していく)

(2024年1月時点)

1.攻撃手

 部隊のランク順に攻撃手たちを並べ、具体的に明示されている情報を記載すると以下のようになる。

 次に空いている部分を埋めていこう。

 小南の個人ポイントは、後述する影浦のポイントから計算して最低でも14781pt以上と考えられる。「小南は太刀川と風間以外にポイントが抜かれていない」と20巻の質問コーナー⑮にて明言されているためだ。また、その小南を追い越している風間のポイントは最低でも14782pt以上であることが分かる。

 の個人ポイントは12041pt以下と考えられる。攻撃手ランクは1位~4位が既に判明しているため、4位の村上の12042ptよりは低いことが確定している。また、元々太刀川と攻撃手のトップを争っていた頃のポイントであることから10000ptを超えている可能性が高く、実力的にも攻撃手5位or7位の最有力候補でもある。また後述の理由で5位~7位は入れ替わりが激しいとみられ、生駒の個人ポイント11177ptにかなり近い数値である可能性がある。

 菊地原はポイント関連の言及が入隊時のポイント以外なかった。その入隊時ポイントは2800ptで、木虎の3600ptより低いため、現在のポイントも木虎より低い可能性がある。

 黒江は入隊時期が緑川より遅く、入隊試験時のトリオン兵撃破タイムも緑川より遅い(緑川は4秒だが黒江は11秒)ため、緑川より低い8000pt台~9000pt前半の可能性が高いと考えられる。
 しかしトリオン兵撃破タイムに関しては、遊真とヒュースの入隊時の撃破タイムを見るに弧月より軽量なスコーピオンを使っている方が時間が短くなる傾向があるとみられるため一概には言い切れない。

 雪丸は160話にて攻撃手5位or7位であることがほぼ確定しており、笹森の「ボーダーに7人しかいない1万越えの攻撃手」という発言より、同時に10000pt以上であることもほぼ確定している。また、烏丸が正確な順位を把握していない点から、攻撃手5位~7位は入れ替わりが激しいとみられ、生駒の個人ポイント11177ptにかなり近い数値である可能性がある。

 影浦は根付さんにアッパーをかまして8000pt没収された他、108話にてC級隊員に攻撃を加えたため、112話時点でさらに2000pt、もしくは10000pt(つまり計18000pt)を失っている。
 「隊務規定違反により」としか言及されていないため後者の可能性もありうるが、そうだとするとアッパー前の点が22780pt、108話時点で14780ptかつ「20位くらい(108話の村上)」となり、15000pt程かそれ以上の点の攻撃手が20人近くいることになってしまう。そうなると12000pt台の村上が49話時点で攻撃手4位だと明かされている部分で矛盾が生じるため、没収された点はアッパーによる8000pt+C級攻撃による2000pt=10000ptで、影浦の元の点は約14780ptだと言えるだろう。

 南沢は18巻カバー裏より現在はマスタークラスに届いていないことが判明しており、7999pt以下だと考えられる。また、同じく18巻カバー裏で「B級16歳組の中ではけっこう有望株」であると言及されており、彼のポイントは笹森の7452pt以上である可能性が高い。

 続いて樫尾王子
 王子はポイント描写がないが、87話の小南によると「A級レベルのエース」とされているため、マスタークラス以上であると考えられる。また、王子隊は三人で固まって行動するのが基本陣形であるため、ランク戦中は必ずしもエース格の王子がとどめを刺すわけではないと考えられ、順位が近い鈴鳴第一や生駒隊のようにエース格1人にポイントが集中している可能性は低い。
 樫尾は「木虎にこてんぱんにされ」ている(19巻カバー裏)こと、中学生隊員トップが絵馬で、そのポイントは最低でも9722pt以上(後述)であることから、樫尾のポイントは最高でも9721ptであることが確定している。他のエース格ではないB級攻撃手のポイントを見る限り7000pt台の可能性が高い。

 虎太郎は銃手であるが、部隊の性質からして万能手を目指し弧月をセットしていると考えられるため攻撃手の方にも記載する。現状、159話で公開されていたポイント(7009pt)が銃手トリガーのものなのか弧月のものなのか不明である。攻撃手が多く登場する回であったため攻撃手用トリガーの弧月の数値なのではないかと考えていたが、20巻質問コーナー⑭によると、「ポジションの呼ばれ方は装備したトリガーの中で一番ポイントが高いものを基準に決まる」そうなので、現在銃手ということは銃手トリガーの方がポイントが高いと考えられる。つまり7009ptは銃手トリガーのポイントであり、まだ万能手に認定されていないことから弧月のポイントは6000ptを超えておらず、5999pt以下だと考えられる。

 以上の情報、考察を赤文字で追加しポイント順に並び替えた表がこちらだ。推測にすぎない内容には語末に「?」を付けており、論理的に導き出せる事実には「?」を付けていない。他のポジションの表でも同じ処理を行っている。

 結果的に、攻撃手はデータが豊富な159話の存在もありかなり広い範囲が埋まった。

2.銃手

 こちらも攻撃手と同じように並べると以下のようになる。

 やはり攻撃手よりは情報が少ないが、空いている箇所を埋めていく。

 唯我は修より上か同じくらいの実力で、かつB級と比べても結構見劣りするレベルだと言われているため、5000pt~6000ptくらいの可能性が高いが、ポイントへの言及が全くないため推測しかできない。

 里見弓場片桐の銃手TOP3は、現在判明している中で最もポイントが高い銃手である北添(9728pt)が銃手4位だとすると、それぞれ最低でも9731pt以上、9730pt以上、9729pt以上であると考えられる。風刃仮説を適用すればそれぞれ最低でも10002pt以上、10001pt以上、10000pt以上となる。あくまで最低値であるため、例えば里見は個人総合ランキングに食い込むレベル…つまり村上以上風間未満程のポイントであってもおかしくないが、現状戦闘描写すらなく推測の域を出ない。また、彼らは3人ともメイントリガーの一番上にアステロイドをセットしているため、メイントリガーはアステロイドである可能性が高い。

(次の弓場についての考察は銃手ランキングTOP3が2022年7月のQ&Aにて判明する前に書かれたものである。当たっていて嬉しかったので原文ママで載せておく)
 弓場は他のB級上位部隊のエース級(二宮、影浦、生駒、王子、東、香取)を見るにマスタークラス以上は固い。180話における里見の話から推測すると、「太刀川さんとかともいい勝負してた」という発言から太刀川相手に何もできずに負けるレベルではないとみられる。他にも里見が「カゲ先輩より強いの?」という遊真の質問にかなり悩んでいるところを見ると影浦と戦闘技術的には互角であるとも考えられ、攻撃手のランカークラスの実力であるとも推測できる。他隊員で盤面を押さえて弓場が1対1でエースを倒していくという弓場隊の基本戦術的にも彼にポイントが集中しやすいと考えられるという理由もある。よって銃手2位クラスの実力ではないかと思われる。

 北添はポイントは判明しているが、メイントリガーは2つの候補がある。命中率があまり高くないとされているが使用頻度が高くメイントリガーの一番上にセットされている「メテオラ:擲弾砲」か、オーソドックスな「アステロイド:突撃銃」である。北添は撃ち合いもできるとされているが、作中描写だけではどちらか判別し切れないため併記することにする。

 若村は137話にて香取に「マスターになったこともない人間には〜」と言われてしまっているため7999pt以下が確定している。また描写からメイントリガーはアステロイド:突撃銃の可能性が高い。

 諏訪は登場シーンは多いが部隊の設立経緯など謎も多く、正確な格がかなりわかりづらいキャラクターである。しかし、諏訪は入隊時期が早めな点や「たぶん今でも麓郎とかより強そう」(24巻カバー裏)と称される草壁の師匠である点などから若村以上、つまり8000ptに到達しているのではないかと考えられる。
 堤は諏訪より描写が少なく格が全く分からないため不明とする。

 虎太郎は「1.攻撃手」で先述した通り、159話で公開されていたポイント(7009pt)は銃手トリガーのものであると考えられるため記載する。
 また、拳銃にはハウンドとアステロイドがセットされているが、どちらをとどめの一撃として用いているかは描写がなく分からないため併記する。

 銃手の中でも特にデータが少ない漆間は、戦闘員一人でB級中位隊とある程度渡り合っているという特色から比較的ポイントが集中している上、ある程度の実力もあるとみられる。長時間戦闘試験において実力を見ることができるだろう。

 以上の情報、考察を追加した表がこちらだ。

 描写が少なく考察が難しいポジションであるため、長時間戦闘試験においては漆間や諏訪の活躍に期待したい。

3.射手

 次は絶対数が他のポジションと比べて少ない射手である。まず次のような表ができる。

 出水は2024年1月13日のQ&Aにてアステロイドとバイパーが10000ptを超えていると明言された。よってメイントリガーはアステロイドかバイパー、個人ポイントは加古より高い最低10001pt以上だと考えられる。

 加古は風刃仮説を適用すると10000pt以上となる。また、たとえ仮説が間違っていたとしても那須の8395ptより多いことは確定している。メイントリガーは20巻質問コーナー⑭によるとハウンド(改)である。

 二宮は風間より個人総合ランクが高いため最低でも14783pt以上が確定している。ポイント順は太刀川>二宮>風間>小南>影浦(アッパー前)になっているとみられる。メイントリガーは、115話の加古の「相手を動かすためのハウンド」という発言と、メテオラの使用頻度の低さから、その2つのトリガーをトドメには使っていないと判断しアステロイドとする。

 水上蔵内はエースをサポートするタイプの射手で、エース格で点を取りまくる那須よりは個人ポイントが低いことが想像できるが、作中に描写がなく推測の域を出ない。水上は主な攻撃手段にアステロイドを用いている描写があるためメイントリガー欄はアステロイドと記載する。一方蔵内はメイントリガーの一番上にアステロイドではなくハウンドをセットしているため、アステロイドより使用頻度が高い可能性があり、どちらのポイントが高いかは不明なので併記する。

 那須のメイントリガーは戦闘描写的にバイパーだと思われる。バイパーはアステロイドより威力が低いが、100話で見られたような精密な弾道や攻撃の密度でカバーしていると考えられる。

 以上の情報、考察を追加した表がこちらだ。

 人数が少ない点から、生き残るためには特殊な才能が必要とされるポジションであると言えよう。

4.狙撃手

 続いても特殊なポジションである狙撃手。狙撃手のみ、118話で行われた合同訓練の成績も記載している。

 C級の場合ではあるが、38話の遊真の訓練の様子を見るとポイントが加算されているため、狙撃手の合同訓練においてもポイントが加算されていると見るのが妥当で、合同訓練のポイント(奈良坂であれば188pt)がそのまま加算されているとみられる。以上から当真や絵馬などの特殊な例を除けば、訓練のポイントは狙撃手ランクにほぼ直結していると考えられるため、考察の結果ポイントが不明となった隊員は合同訓練の成績順に並べていく。

 狙撃手TOP3は当真・奈良坂・東の3人だが、この3人のポイントを推測するには絵馬のポイントについて考える必要がある。
 絵馬は、13巻のカバー裏によると中学生の隊員の中で最もポイントが高いことが確定している。風刃の候補者には中学生である木虎が含まれているため、風刃仮説に基づくと木虎は最低でも10000pt以上となり、その木虎よりポイントが高いことが確定している絵馬のポイントは最低でも10001pt以上となる。絵馬は狙撃手TOP3には含まれていないため、そこから先述の3人のポイントは絵馬を超えており、それぞれ最低でも10004pt以上、10003pt以上、10002pt以上であると分かる(たとえ風刃仮説が間違いであったとしても、絵馬のポイントは現在ポイントが判明している中学生隊員の中で最もポイントが高い緑川の9721ptより高い9722pt以上であることは確実である)。
 また、それぞれの使用頻度の高さから奈良坂のメイントリガーはイーグレット、東と絵馬のメイントリガーはアイビスだと考えられる。
 基本イーグレットよりアイビスの方が威力が高いため、余程距離が離れていない限りはアイビスを使った方がシールドに防がれにくく攻撃に寄与しやすいと考えられる。しかし実際にはイーグレットをメインに扱う隊員の方が多いことから、アイビスは弾速の遅さから扱いが難しく、東や絵馬のような高い技量がないと相手に上手く命中させられないと思われる。

 宇野桃園は戦闘描写が現時点でなく合同訓練にも不参加であり、情報が少なすぎるため不明とする。

 佐鳥は訓練でも2位でボーダー内でもかなり優秀な狙撃手だと考えられるが、現状ポイントの描写がない。
 合同訓練のポイントを分析すると33的中3被弾であった。3枚目ということなのだろうか。33的中はこの訓練において奈良坂の38的中に次ぐ2位の数値とみられる。

 古寺のメイントリガーは使用頻度からイーグレットであると考えられる。師匠の奈良坂に教えられ、あらゆる状況に対応できるように3種の狙撃手トリガーを全て入れていると思われる。

 千佳は使用頻度から、メイントリガーがアイビスの可能性が高い。しかし修と遊真の戦功ポイント(2300pt)がどのトリガーに付けられているかは不明であるため確定はしていない。また、中学生隊員であるため絵馬のポイントから10000pt以下であることは確実である。

 隠岐のメイントリガーはイーグレットまたはライトニングであるとみられる。狙撃手は基本的にイーグレットをメインに使っているが、機動力の高い隠岐は軽量のライトニングを使用する頻度が高い可能性がある。
 隠岐は合同訓練で6位もしくは8位だったことがほぼ確実であるが、どちらであるかまでは不明である。狙撃手トリガーも持っている片桐はスカウトで不在、東は対ガロプラの作戦会議に参加するため訓練に参加していないとみられるため、6位と8位のどちらかには未登場の隊員が入ると考えられる。
 また、2022年12月7日のQ&Aによると、当真が撃った338番の狙撃手は隠岐である可能性が高い。つまり、もう一人の候補である外岡は無被弾で訓練を終えた可能性がある。

 日浦は中学生隊員のため10000pt以下だと分かる。また特段アイビスやライトニングを重用しているようにも見えないため、メイントリガーはイーグレットであろう。

 外岡は187話にて合同訓練の順位が3位だったことが明かされている。メイントリガーは使用頻度からイーグレットの可能性が高い。また先ほども述べた通り無被弾で合同訓練を終えた可能性がある。

 太一は日浦と同じく特段アイビスやライトニングを重用しているようにも見えないため、メイントリガーはイーグレットであろう。

 以上の情報、考察を追加した表がこちらだ。

 遠征試験編では宇野や桃園の戦闘シーンにも期待したい。

5.万能手

 最後は、記事が塩漬けにされている間に個人ランキングが存在することが確認された万能手である。万能手の個人ランキング決定の仕組みはまだ作中で語られていないため、最初にどのように万能手の個人ランキングが決定されているのか考える必要がある。

 仮説は2つある。1つ目は単純に「万能手として登録されている隊員の使用トリガーのうち最もポイントが高いもの1つだけがランキングの決定に使用されている」というものである。しかしこれだと「万能手としての能力の高さ」を示せないのではないかと私は考えている。仮説1だとすると、例えば弧月10000ptアステロイド10000ptで近距離・中距離両方のトリガーで結果を出している隊員Aよりも、弧月11000ptアステロイド6000ptで弧月ばかり使っていてアステロイドは万能手認定ラインの6000点ギリギリの隊員Bの方が「万能手として」優秀ということになってしまう。隊員として優秀で個人総合ランクで上位なのはBかもしれないが、万能手として優秀なのはAのはずである。
 この問題を解決できるのが仮説2「万能手ランキングにおいては万能手として登録される要件となっている2つのトリガーの個人ポイントを合算したポイントがランキングの決定に使用されている」というものである。これであれば弧月10000pt+アステロイド10000pt=20000ptのAの方が、弧月11000pt+アステロイド6000pt=17000ptのBよりも万能手として優秀ということになる。以上からこの万能手ランキングは仮説2のルールによって決定されているという前提で考えていく。
 しかし、個人総合ランキングはいち隊員としての優秀さを定めるために万能手も他ポジションと同じく隊員の使用トリガーのうち最もポイントが高いものがランキングの決定に使用されていると考えられる。つまり私の考えでは、個人総合ランキングで上なのはBで、万能手ランキングで上なのはAということになる。

 さて、これまでと同じく表を作るとこのようになる。

 他ポジションの表にはない項目が増えているが、まず、万能手には「メインポジション」と「サブポジション」が存在するという前提の下で話を進めていく。

 トリガーセットの利き手側の一番上に入っているトリガーの適正距離に対応するポジションをメインポジションとし、それと異なる適正距離のトリガーに対応するポジションをサブポジションとする(例えば、嵐山のトリガーセットの利き手側の一番上に入っているのはアステロイド:突撃銃なので嵐山のメインポジションは銃手であり、異なる適正距離のトリガーとしてスコーピオンが入っているため、サブポジションは攻撃手である)。
 万能手の「メイントリガー」及び「サブトリガー」欄には、そのポジションに対応する適正距離の攻撃用トリガーが他にセットされていない場合のみ記載している(例えば、嵐山がセットしている銃手用トリガーはアステロイド:突撃銃とメテオラ:突撃銃の2つで、どちらの方がポイントが高いかは具体的に明かされていないため、最初の表時点では記載せず考察の中で埋めていく。一方攻撃手用トリガーはスコーピオンのみなのでサブトリガー欄にはスコーピオンと記載できる。佐伯は、攻撃手用トリガーは弧月、銃手用トリガーはアステロイド:突撃銃しか入っていないため両方記載できる)。
 「タイプ」はメインポジションとサブポジションの組み合わせを示すもので、攻撃手+銃手、攻撃手+射手、銃手+攻撃手、射手+攻撃手、完璧万能手の5つのうちどれかに分類している。左側がメインポジションで右側がサブポジションとなっている。
 「個人ポイント」の欄には、先ほど述べた「万能手として登録される要件となっている2つのトリガーの個人ポイントを合算したポイント」ではなく、その隊員が装備しているトリガーのうち最もポイントが高いと考えられるトリガーのポイントを記載している。つまり個人総合ランキングに集計される方のポイントである。
 以上の前提の下で考察していく。

 天羽は戦闘描写もポイント描写も皆無であるが、BBFパラメータの「射程」の数値が銃手+攻撃手タイプの隊員より高かった(出水と同値、嵐山より高い)ため射手+攻撃手タイプの万能手だと予測する。その他の情報は不明とする。

 歌川は現状射手トリガーを使用しているシーンが見られない程攻撃手寄りの万能手である。そのためサブトリガーがアステロイドとメテオラどちらなのかも判別できなかった。また、菊地原と同じく入隊時のポイントが木虎より低いことから、現在も木虎よりポイントが低い可能性がある。

 佐伯は戦闘シーンがないが、攻撃用トリガーが2つしか入っていないためメイントリガーとサブトリガーを確定させることができた。風刃仮説を基にすると、弧月もしくはアステロイド:突撃銃のポイントは10000pt以上だと思われる。トリガーセットの右上に弧月があるため、ポイントが高いのは恐らく弧月の方で、攻撃手寄りの万能手であるとみられる。

 嵐山は万能手2位であることがQ&Aにより確定している。風刃仮説と後述する三輪のポイントからアステロイド:突撃銃もしくはスコーピオンのポイントは10002pt以上だと考えられる。使用頻度からポイントが高いのはアステロイド:突撃銃の方で、元のポジションは銃手とみられる。太刀川や風間などのトップランカーと入隊時期が近いこと、木虎の加入前はエース格だったことを考慮すると嵐山が個人総合6位の可能性もある。

 木虎は先述の通り、風刃仮説を基にすると最低でも10000pt以上である。入隊時は銃手だったということが語られているため、メインのポジションは銃手で、10000ptを超えているのはアステロイドであろう。

 時枝は銃手寄りの万能手であるということ以外不明である。サポートが得意な点やトリガーセットが全く同じ嵐山との緊密な連携が特筆されているため、個人のポイントはA級の中では高いほうではない可能性が高い。

 三輪は万能手3位であることが確定している。TOP3に入っていない木虎・佐伯のポイントを基にすると最低10001pt以上とみられる。戦闘シーンでは弧月を右手に持っていることが多いためポイントが高いのは弧月で、元のポジションは攻撃手だった可能性が高い。

 レイジは唯一の完璧万能手で万能手1位、そして全ての距離のトリガーで8000ptを超えていると95話にて明言されている。万能手2位の嵐山のポイントから風刃仮説が当たっていればポイント自体は10003pt以上だとみられる。一番ポイントが高いトリガーはトリガーセットの一番上にレイガストがあることからレイガストの可能性が高い。サブトリガーは機関砲と突撃銃をどちらも扱っていることから判別し切れないが、機関砲は見るからに取り回しが悪そうで汎用性が低いと考えられるため、恐らく突撃銃の方であろう。突撃銃であれば移動しながらの撃ち合いなども可能であるが、機関砲はそうもいかなそうである。

 烏丸はポイントの描写がなかったため不明とする。弧月が右上にセットされているため攻撃手寄りの万能手であるといえる。

 帯島は中学生隊員であるため絵馬のptから最高でも10000ptである。登場している全万能手の中で最も若いため、万能手に認定されたばかりでポイントも6000ptギリギリである可能性があるが推測の域を出ない。利き手側に射手トリガーがセットされているためメインのポジションは射手だと思われる。

 香取は入隊時のポジションが攻撃手だったということでスコーピオンがメイン、ハウンドを使っている描写がない上に197話時点でスパイダーに差し替えられている可能性が高いためアステロイド:拳銃がサブだと思われる。加えて123話でコスケロが「昨日見た槍使いの方が強かった」と言っているため、攻撃手としての腕前は米屋に劣るとみられる。そのため個人ポイントは9724pt以下と推測する。また、137話の会話の内容から銃手ではマスタークラスに到達しているようである。攻撃手でもマスタークラスに到達しているかどうかは不明である。

 柿崎はメイントリガーから同期の嵐山と同じく銃手寄りの万能手である。アステロイドの使用頻度の方が高いためメイントリガーはアステロイド:突撃銃の可能性が高い。ポイントについては、同部隊の照屋ともども描写が皆無であるため不明とする。

 照屋は弧月を利き手側にセットしていることから柿崎とは異なり攻撃手寄りの万能手である。サブトリガーについては戦闘描写からハウンドの使用頻度も高いためアステロイドと併記する。ポイントは柿崎ともども描写がなかった。

 以上の情報・考察を追加したものがこちらだ。

 そもそもランキングの形式が不明である上、具体的なポイントが公開されている隊員がほぼいないため有意義な考察ができなかった。今後情報が増えることを期待したい。

6.まとめ

 以上のように、作中の描写やBBFなどから具体的には公開されていない個人ポイントや個人ランキングの情報を割り出すことができた。葦原御大のことなので、個人ポイントやランキングのデータは全登場キャラ分一通り作ってあると考えられる。緻密な設定に感嘆すると同時に、今後作中描写やQ&Aによって何らかの情報が公開された際に私の考察が当たっていたら嬉しいな、と思いながらこの文を締めさせていただく。

 ここまで読んでくださった方、何か私と違った考えや明らかなミスがあればコメント欄でお聞きしたいです。

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