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掛川花鳥園スタッフのゆるゆる自由研究 【ペンギンのレアな姿】

花と鳥とのふれあいが楽しめるテーマパーク、掛川花鳥園のスタッフによる、園内の鳥たちのディープな情報や楽しい実験をスタッフブログから集めたよりぬき連載。今回は「ペンギンのレアな姿」に注目!

暑い!
7月に入って早々に猛暑が続いていますが,いかがお過ごしでしょうか。
今回は涼しげに、ペンギンをテーマにしたいと思います。

ケープベンギン

ペンギンといえば白黒のちょっともちもちしつつも流線形の姿を思い浮かべると思いますが,期間限定でレアな姿を見られます。どんな姿かというと……

この姿です。
ちょっと寄りすぎたので引きで

ペンギンの皮をかぶっているみたい

この、何かもう一羽ぶん毛皮を着込んでいるようにも見えるくらいもこもこしているのは羽根で、先端がぽろぽろと取れる状態です。

古い羽根が新しい羽根に生え換わる、「換羽(かんう)」をしている姿です。
ふだん水の中で食事をするペンギンでも、換羽をしている間は水に一切入らないので陸で過ごします。スタッフ達も、専用のスペースを作りペンギンたちを裏に下げています。

換羽前と後を比較してみましょう。

換羽前

れもんちゃん
ゆず君(すごい顔をしているのはご愛嬌)

ボソボソ感はともかく、見た目には生え変わってもあまり変わりません。

今度は、水をかけてみましょう。

水に濡れている状態です。体に羽がぺったりとくっついています。さわり心地もつやつや、つるつる。

濡れそぼって、てかてかと光が反射しています。

動画で見ると、水は弾かれずに、そのまま吸収されて羽が濡れているのがよりわかるでしょうか。

換羽後

光の反射の仕方が違うのに気づきましたか?

もう少し寄って見てみましょう。

水は吸い込まれず、水滴になっています。

動画にすると、丸い水滴になった水が背中を転げていくのが見えます。
触り心地はこちらもつるつるではありますが、つるつるより…しっとりとした感じで、乾くと全然違います。ふわふわとした触り心地です。

ちょっと特殊なペンギンの羽

めくってみると、ふわふわしているのがわかりやすいです。

この内側の羽は保温用の羽で綿羽(ダウン)と呼ばれています。
身近なものだとアヒルやガチョウのダウンが、ジャケットやお布団に使われていますね。

さきほど水を弾いていた、いつも見えている表面の羽は正羽(せいう)、英語ではフェザーといいます。乾いているときはサラサラです。きもちいい。
比較してみたとおり、換羽直後の正羽は水を弾くのですが、実はこの効果は期間限定で、ペンギンの羽は水を弾かない期間のほうが圧倒的に長いです。

びちゃびちゃに濡れます

濡れて水圧がかかることで羽同士がくっつき、まるで一枚の布の様にツルッツルになるのです!このツヤ感からイルカのような触り心地を想像する方も少なくないです。ウェットスーツのようにツルツルしていたほうが、泳ぎやすいのかもしれませんね。

ふわふわになったゆず君

当園では、ペンギンに触れ合えるイベントも毎日開催しています。期間限定、換羽したてのふわふわしたペンギンに触れ合うなら今がチャンス!

ぜひ、換羽後にふわふわのペンギンを触りにきてくださいね。

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バードウォッチング専門誌BIRDERでは,2021年4月〜2023年12月号まで,「掛川花鳥園出張ガイド」を連載していました。電子版などのバックナンバーで読むことも可能なのです。公式ホームページの総目録でどんな鳥が主役になっていたかわかるので、ぜひ推し鳥の号を探してみてください。

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