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掛川花鳥園スタッフのゆるゆる自由研究 【イワシャコの孵化と成長】

花と鳥とのふれあいが楽しめるテーマパーク、掛川花鳥園のスタッフによる、園内の鳥たちのディープな情報や楽しい実験をスタッフブログから集めたよりぬき連載。

当園の隠れた人気者、イワシャコ。まん丸な体形で、集まって眠る姿がなんともかわいく、SNSで評判を呼び、ぬいぐるみが作られたりと、一般知名度は低いものの当園ではこの鳥
目当てに訪れる人もいるほどになりました。そんなイワシャコの孵化から成長、若鳥たちの初々しい様子をまとめました!

イワシャコとは

イワシャコはキジ科の鳥で、ユーラシア大陸のヨーロッパ南部~東部にかけて生息しています。北アメリカの西部にも生息しているそうですが,それは人為的に移入されたものだそう。低木地や草原、山岳地などを好んでいます。大きさは35cmほどで、まん丸な体形がかわいらしい鳥です。

孵化から大人の大きさになるまで

このイワシャコ たちが生まれたのは2019年の6月。
6~7月ごろはイワシャコの繁殖期で、園内の砂地のくぼみに巣を作って卵を産みます。
以前イワシャコがシンクに卵を産んでしまったこともありました。シンクがちょうどいいくぼみに見えたのでしょうか。

さて、無事に生まれた卵のほう。ウズラの卵よりは大きいです。生まれた卵は23〜25日ほどで嘴打ち(卵の中から殻を突くこと)が聞こえだし、徐々に孵化がはじまります。

孵化の瞬間

生後5日
たった5日で新しい羽が徐々に生えてきますが、まだ尾羽はありません。

生後10日
鳥たちの1日は大きいですね。もう尾羽が生えていました!
そして一回りも大きくなっています。キジの仲間の成長は早いです。巣が地面にある鳥の雛は、早く大きくならなければならないのでしょう。

水入れ容器と同じくらいの大きさ

生後19日だいぶ大きくなりました!水入れ容器と比べると分かりやすいかと思いますが、ぐんぐん大きくなっています。

水入れ容器の背丈を越した

生後1ヶ月半
無残に倒された水入れ容器……
ここまでくると成鳥とほとんど大きさは変わりありません。
このころから、少しずつ放鳥予定のお部屋の近くで過ごし、ケージ越しに先住の鳥たちとのお見合いがはじまります。

水入れ容器よりだいぶ大きくなりました

がんばれ!後輩イワシャコ 

いざ!先輩イワシャコがいるエリアに放鳥!

一緒のお皿をつつくなんて10年早いわ!と小突かれた若イワシャコ。驚きのあまり、魂のロケットジャンプ

ケージから先輩イワシャコと過ごす部屋に放鳥された若いイワシャコ は、先輩イワシャコからの洗礼を受けます。
さらに、同じ部屋の先輩にはシロクジャクもいます。

「ご一緒してもいいですかね…?」と言わんばかりに恐る恐る……
じろっ

この後、ビビって若イワシャコは逃げ出していました。先輩イワシャコたちのようにはいかず、若鳥らしくもたもたしているのもかわいらしい。

秋ごろになると、イワシャコは固まって眠るようになりますが、この年の若イワシャコたちのお気に入りスポットはベンチで、よりそいあって寝るところが見られました。

他のイワシャコの背中に嘴をうずめて寝るイワシャコ (中央)
寄りかかっていたイワシャコが動いても退かない

扉付近でまったりしていることもありますが、そんなところにいると……

わっ!!!

こんなことも。初々しい新人らしいところを見せてくれました。

先輩イワシャコと後輩イワシャコの見分けは足のリングでできるので、動きをよく観察してみるのもおもしろいと思います。青いリングがいちばんの古株たちで、赤いリング+カラーの結束バンド(この記事の2019年のグループ)、次の世代が赤いリングのみです。

2019年の若イワシャコ につけた赤いバンド

ぜひ、ユーモラスなイワシャコたちに会いにきてくださいね。


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掛川花鳥園

掛川花鳥園は「花と鳥とのふれあい」が楽しめるテーマパークです。
広大な敷地の中に大温室やスイレンプール、池や牧場などを備えています。
冷暖房完備のガラスハウスは、夏涼しく冬は暖かく、全天候型なので雨の日でも安心。一年中快適な空間で花や鳥とのふれあいをお楽しみいただけます。

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