見出し画像

言いっぱなし日記〜校長に直談判!〜

今日は普通に出勤。来週から始まる授業に備えて、明日、他の英語の先生と打ち合わせをするための資料(授業や課題の計画、評価基準など)を作っていたら、副校長が私に「研修報告、校長先生が全部和訳してほしいとおっしゃっていました。」と早口で、速足で歩きながら言い捨てるように言って、自分の席へと去っていった。

それは、まるで、私に「え?何でですか?どういうことですか?」と、突っ込む隙を与えないために、急いで言い捨てて逃げていくような感じ。いや、おそらくそれに違いない。

私は、自分を落ち着けるために、すぐに始まる学年会議の後まで待ってから、次の行動を取ろうと決めた。

これを読んで下さっている皆さんのためにご説明する。「研修報告」とは、教員組合が教育員会に訴えて勝ち取った「研修」(長期休業中、休暇を取らずに自宅で研修できること)の報告書。

私は、働きながら5年夜間の大学院(アメリカの州立大学日本校)に通って、週末は課題をこなすのに費やして、何とかTESOL(英語教授法)の修士号を取った。そのとき仕上げたいくつもの論文のうちの1つを、見直し、その論文を推敲したものを「研修報告」として提出したのだ。

もちろん、アメリカの大学院なので、全部英語。参考文献表も入れて約20ページの論文。最初の1ページに、日本語で何についての論文か要点を書いたものをつけた。

それを、「全部和訳してほしい」だと???

私は英語で長い文章を書くとき、なるべく英語で考えて書くようにしている。私流の「英語で考えて書く」とは、日本語訳をなるべく挟まずに、ダイレクトに頭に浮かんでくる英文を書くこと。

中には、初めに日本語で下書きを書いて、それを英訳する人もいるが、私はそうではないので、日本語の下書きはない。だから、20ページの論文を、今から一文一文和訳したら、ものすごい時間がかかる!

このクソ忙しい時に…。Are you nuts???

学年会議の後まで待っても、怒りは収まらず、校長に直談判に行った。そうしたら、校長の言い分は、私が副校長の捨てゼリフから受け取った内容と、かなり違っていた。

校長が私に言うには、今回の研修報告を和訳しろとは言っていない。自分はそこまで意地悪ではない。ただ、自分は英語は読めないから、まったく内容の分からないものに判を押すのは不本意なので、次回もこういうタイプの研修報告をどうしても出すというなら、和訳をつけてほしい、ということだった。

それで、私は、日本語で2ページくらいに要約したものをつけるから、和訳は勘弁してほしいと言った。

結局、校長はそれで折れてくれたが、そこに至るまでに、私はつい感情的になり、言わなくていいことまで言ってしまった…。またいつもの地雷を踏んでしまった。今回は自ら地雷を用意して踏んだようなものだ。

だってさ、校長は、私の教員としての勉強の成果は、生徒の模試の偏差値がどれくらいあがったかとか、英検に何人受かったかとか、数字で表されなくちゃいけないって言うんだもん!!!

教員の力って、人間の力って、必ず数字で表れるもんですか???

私は、今から5年くらい前、ちょうど大学院に通っていたころ、いわゆる「底辺校」で教えていて、でもそこで一番英語ができた子が、卒業式で私に手紙をくれた。

「先生は、いつも、英語を教えるとき、すごく楽しそうで、英語が大好きなのが伝わってきて、私まで英語が好きになっちゃいました。」って。私は、涙が出るほどうれしかった。

今は、彼女は国立国際医療研究センターの看護師。

手前味噌ですが、こういうことが、私は教員の成果だと思っている。偏差値が何ポイント上がったとか、英検に何人受かったとか、それも素晴らしいけど。

校長に、こういう話をしてやれば良かったんだけど、その場では思いつかないんだよなぁ(笑)。

今日は長くなってすみませんでした。ここまでお付き合いしてくださった方、ありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?