見出し画像

8月7-8日の「インディペンデント東京」出展用に、「しばられぼさつ」を掛軸に仕上げるプロセス(Part1)

8月7-8日の「インディペンデント東京」用に、ぼつぼつ写真作品を仕上げる作業をしています。どんな作品を出展するかといいますと、この数年間、ずっと撮りためていた「しばられぼさつ」シリーズを曼荼羅形式の掛軸に仕上げようというものです。

画像1

デッサン用に使う人型模型をひもで縛り、それをあちこちに置いて、撮影するという作業をずっと続けています。「しばられぼさつ」というからには、仏教的な作品コンセプトが求められます。いろいろと考え、またつたない祈りを重ねた末に、こんなような制作意図がまとまってきました。

「ひも」とは、それぞれの人間を縛って、身動きが取れなくなる「カルマ」を象徴します。「カルマ」とは、悩み、苦しみ、貧窮、病弱、悪行、貪欲、高慢などなど、つまり人間の持つ数限りない「煩悩」を意味しています。とはいうものの、「カルマ」に縛られながらも、なんとか合掌して祈ろうとするところに、ちょっとずつ、わずかながらも、ニルヴァーナに、救いに近づいていくであろう・・・という姿を表そうとした作品、ということになるのでしょうか。

画像2

また、「しばられぼさつ」が出没する世界は、私たちがふだん暮らしている日常の世界、仏教的にいうならば「娑婆世界」ということになります。

写真作品として、まとめようとしていきましたが、現在の正方形で、モノクロームというスタイルになるまで、かなりの年月がかかりました。色がついていると、色彩が邪魔をして、作品の意図が伝わりにくいのです。人体模型を縛るひもの色をお寺の幔幕などでよく見かける赤白青緑黄といった5色に限定してまずは撮影してみました。それで掛軸に作ってみたのですが、どうも落ち着かないのです。さらに、いろいろな色を混ぜてしまうと、もうぐしゃぐしゃになって、なにがなんだか分かりません!!!

画像3

それでモノクロームでの撮影になりました。シンプル・イズ・ベスト!です。次に長方形で撮影していると、どうしても縦位置になります。これも悩みました。正方形にしてみると、縦方向、横方向のどちらへも展開しやすくなるように感じました。

画像4

それでこのように作ってみましたが、中心になる部分がないと、どうしても散漫になってしまいます。本物の曼荼羅では、中心に宇宙の中心仏である大日如来さまがいらっしゃるので、偶数での配列ではなく、奇数での配列にしないと落ち着きません。

画像5

ということで、このような構成になった、というわけです。ここまでつくるのに2-3年かかりまして、なんとかこのような形に仕上がったのは2019年のことでありました。

しかし、まだ曼荼羅というには決定的な要素が足らないように感じていました。実際の曼荼羅を、よく通っているお寺のものを眺めながら、全体構成を考えていました。つまりは、大きな中心的な仏さまと、脇を固める小さな仏さまが有機的に混在して欲しいわけです。

試しにひとつ既存の作品に、小さなしばられぼさつを足してみました。

画像6

上記の作品に、左右に小さなしばられぼさつを貼り足してみたのです。

画像7

少し、曼荼羅っぽくなりました。この他にも、持ち歩き出来る小型の作品の掛軸をプレゼンテーション用に作ってみました。

画像8

これは奇数配列ですが、中心となる仏さまがいません。なので、次に中心となる仏さまをまず貼り込みます。

画像9

そして周囲に、サイズの異なる仏さまを貼り込んでいくのです。

画像10

画像11

このようにして、3つのサイズのプリントを組み合わせて、なんとかそれらしい形に仕上がってきました。

これはまだ小型の掛軸ですが、これと同じような方法で、さらに大きな作品に挑戦することができます。その道筋を大まかに記録してみました。これから気合を入れて、もっと大型の掛軸に仕上げていく作業が始まります。

8月7日(土)~8日(日)、東京・竹芝桟橋近くの、東京ポートシティ竹芝で、インディペンデント東京が開催されます。そこに出展する予定です。ぜひぜひ、みなさま、お越しくださいませ!!!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?