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小江戸川越 七福神


クルマが無い。もう三年にもなる。無くて不便は感じない。最寄りの駅まで歩いてる二十分は、かかる。ただ、遠出をする時は、無くてはならない道具だと思う。

丁度三年前の正月、忘れもしない。圏央道の厚木ICから乗った。乗って直ぐに、サービスエリアがある。今は、パーキングエリアと言うそうだ。立ち寄ってみる事にした。当時は、パジェロミニに乗っていた。土産屋とらーめん店があって、家族連れやトラック運転手で賑わっていた。

トイレだけで、何も買わず、何も飲食せず、八王子方面に走り出した。二車線なので、スピードが100キロを超えると結構怖い。なにしろ、トンネルが多い。行けども行けども、トンネルとトンネルの間を走っている。

「小江戸と言われている川越に行こうと思うの。昨日、iPadで見たら、七福神巡りも出来るから、そう思っちゃった」いつに無く、妻が張り切っている。
「無理しないで、のんびり行こうね」
こんな具合で、いつも、突然その場で、いく先が決まる。

だいぶ走ったところで、やっと狭山パーキングエリアの看板が見えた。「おしつこ、したい」と大学生だった息子が嘆願した。

コーヒーと、ペットボトルのお茶、名物の狭山ロールなどを買って、車の中で食べながら、走った。おしっこの息子が運転している。免許をとりたてだから、助手席に座っている私は、生きた心地がしない。

それでも、鶴ヶ島JCTに着いて、そのまま関東自動車道に乗り換え、ひたすら川越に向かう。川越の出口を抜けて一般道を走る。
「やっと着いたね。運転手かるわ」とインターチェンジを過ぎたところで運転を変わった。江戸から明治時代を偲ばせる蔵造りが残るエリアが小江戸と言われる町並みだ。重要伝統的建造物群がある。アイコンの『時の鐘』は、一際目立つ。

川越七福神は、妙昌寺・蓮馨寺・見立寺・成田山別院・喜多院・天然寺・妙善寺の7つがある。車で駐車場に入れて、色紙に御朱印を押してもらう。それを繰り返す。

「妙善寺から行こうか、まだお昼前なので、簡単に終わるよ。お昼ご飯は、小江戸で食べよう」とたかを括っていた。天然寺、喜多院、成田山別院、と順調に進んだが、蓮馨寺や見立寺、最後の妙昌寺にいたっては、道を間違えてしまい、大変な事になった。それでも、息子がナビゲートしてくれたお陰で、短時間で回れた。


七福神とは、恵比寿、大黒天、福禄寿、毘沙門天、布袋、寿老人、弁財天があり、それぞれがヒンドゥー教、仏教、道教、神道など様々な神様のこと。国際神様連合みたいなものだ。ご利益がないはずが無い。

今まで七福神巡りを12カ所くらい行って来たが、一番スムーズに回れた。「結局、芋ケンピとアイスクリームくらいしか食べれなかったね」と妻の言う通り、時間に追われて、観光も食事もしないまま、パーキングエリアで肉まんや軽食を食べて帰宅した。

世界中の神様に会えただけでも丸儲けだ。
今、こうして元気なのも七福神のお陰だと思う。今は車が無いので、遠出が出来ないが、「盛岡や金沢などに行きたい」と妻が言う。確かに思い出がいっぱい詰まった街だ。

もう少し落ち着いたら、その辺にも行ってみたいものだ。

「旅は道連れ世は情け。」とは、同行者がいると旅が心強く楽しいものになるように、世の中を渡るのにも、それぞれが互いに思いやりをもって助け合うことが大切であるという教えだそうだ。(漢字ペディアより)

Official髭男dism も「旅は道連れ」と歌っていた。これからは、ひとり旅でなく、道連れしようと決めた。思い出も笑いも2倍3倍になるから。

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