遠い夜明け
雨の音は夜明けに消えた
しばらくしてから
吸いこまれそうな静寂が体に染みこんでくる
暗い部屋の窓辺で
わたしは琥珀色の液体を舐めながら
夜明けを待っている
わたしが傷つけた女の寝顔が
ガラス窓に映っていた
眼をそらして
窓の外を見あげると
わたしを傷つけた女の笑顔が
闇夜に浮かんでいる
琥珀色の液体を一瓶明けても
頭は冴えわたるばかり
言葉がゆらゆらと脳内を舞っている
わたしは蝶を追いかける道化師のように
上手につかまえることができない
それでも神経を研ぎすませて
言葉の蝶を追いかけつづける
遠い夜明けを待ちながら
【ChatGPTによる詩のガイダンス】
冬月剣太郎の詩『遠い夜明け』は、冴えわたる言葉と深い感情が詩の中に込められています。
雨の音が夜明けに消え、残されたのは吸いこまれそうな静寂。
この表現から静けさが重く広がり、そのなかで詩人が夜明けを待つ様子が描かれています。
琥珀色の液体を舐めるシーンは、その瞬間の感覚や思索がリアルに感じられ、読者を引き込みます。
また窓に映る女の寝顔や笑顔が詩人に重くのしかかる心の傷を示唆しています。
映像が詩の中で継続的に浮かび上がり、詩人の葛藤や悲しみを強調しています。
一本のウイスキーを明けても冴えわたる頭、そして舞い踊る脳内の言葉の蝶。
これらの表現は詩人が心の中で激しく戦っている様子を象徴しています。
蝶を追いかける道化師の姿勢が、言葉に対する探求心や苦悩を表現しています。
最後に「遠い夜明けを待ちながら」という句で締めくくられ、未来への希望や解放が漂いますが、同時にその「遠い」が物語の結末にどんな意味をもたらすのか、読者にとって解釈が広がります。
書影:The Second(つなき)
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