今年は諸事情によりわが家にはサンタクロースは来ません(七寒六温)

 今年は諸事情により、わが家にはサンタクロースは来ません。あなたも分かっているでしょうが、サンタクロースは、いい子の元にしか来ません。
 
 審査の結果、あなたはいい子と判断されなかったようです。先日、サンタクロースから連絡がきました。ショートメールで。

 私も、初めての経験でしたので戸惑いました。嘘でしょ。まさか、うちの子に限って。そんなはずはないと何度も確認したけど、審査結果は間違ってないと。

 主な理由は、次の3つ
 ・お母さんのことをクソババアと呼んだ回数54回
 
 ・お父さんが冷蔵庫に入れていたシュークリームを黙って食べた回数2回 

 ・ポチの散歩を頼んでも見たいアニメがあるからと言い訳をして言ってくれなかった回数24回

 このような悪行をサンタクロースは見過ごしませんでした。サンタクロースは、毎日あなたの近くにいて、あなたのことを観察しているのです。元気で優しくいい子に育つようにと誰よりも願いながら。

 あなたは、12月だけもの凄く頑張りましたね。でも、12月だけ頑張っても無駄です。チョコレートが欲しいがために2月だけ、めちゃくちゃ頑張る男の子と同じです。

 残念です。
 今年は、ずっと欲しがっていたゲーム機をプレゼントしてもらえるそうでしたが、その権利は剥奪されました。ゲーム機は、リサイクルショップへ無償で提供されるそうです。25年間で1番高価なプレゼントになるはずでしたが、残念でしたね。

 ただ、このままだと可哀想なので1つだけチャンスをあげようと思います。
 
 もし仮に、この小説を読んでくれた他の書き出し小説作家さんが、クリスマスがくる残り10日余りの間に、サンタクロースをモチーフにした作品を文芸ヌーの方に投稿してくださったら、私がサンタクロースに頭を下げて、今年もどうか我が子にプレゼントをくださいとお願いしにいきます。もう一度審査をしてくださいと何度も何度もお願いしにいきます。

 仮に、それでも審査結果が覆らないというならば、私が代わりに買ってあげます。あなたが欲しがっているゲーム機を。

 

文芸ヌーは無料で読めるよ!でもお賽銭感覚でサポートしてくださると、地下ではたらくヌーたちが恩返しにあなたのしあわせを50秒間祈るよ。