デジャヴュから歴史へジャンプせよ
文芸批評時評・10月 左藤青
文芸誌を買うというのはほとんど博打である。
何冊も買えばなかなか高価だし、かさばるから本棚のスペースを圧迫する。そのくせ、この手の雑誌(文芸誌や思想誌や美術批評誌)に載っている文章ははっきり言って玉石混交だ。面白いと思える文章や特集に出会える機会はきわめて稀少である。
だから、この『文学+』の企画——毎月の文芸誌に掲載された評論について論ずる——に参加していないかぎり、僕がこの類の雑誌を買うという「賭け」に投じるのは半年に二度・三度あればい