いま虚構や批評にとって陰謀論とは何か(前編)——全体性の思考と陰謀論化した世界
フィクションの感触を求めて(第四回) 勝田悠紀
0.はじめに
この連載もついに四回目になった。ほぼ同時期にスタートし勝手に同級生のつもりだったなかむらあゆみさん「地方文学賞の賞金で文芸同人誌をつくる」、韻踏み夫さん「耳ヲ貸スベキ!」が相次いで全六回を完走し、荒木優太さんの「干さオレ」にいたってはまさかの二周目である(と書いていたら先日ついになかむらさんも二周目に入った)。一人あるまじき進度の遅さにオレもいつ干されてもおかしくないと内心恐々だが、なんとかゴールラインを切れ