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2022年1月の記事

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過去記事は有料です。 2022年1月の記事を格納しています。 ①【文芸時評・2月】『文學界』から干されたオレがなぜかまた文芸時評をやっている件について(第八回) 荒木優太 ②【文…
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#岡野八代

フィクションを「ケア」することは可能か(1)

フィクションの感触を求めて(第二回) 勝田悠紀 0.はじめに  「ケア」という言葉を頻繁に目にするようになった。さまざまな文脈でこの概念が取り上げられ、語られている。  そのきっかけのひとつとなったのが、昨年夏に刊行され、すでにこの媒体でも取り上げられている、小川公代の『ケアの倫理とエンパワメント』(注1)である。タイトルにある「ケアの倫理」は、義務論や帰結主義といった既存の学説にかわる倫理観で、1982年にキャロル・ギリガン『もうひとつの声』によって提唱された。『ケアの