カフェ文学と汗によせて
散々な一週間だった。
仕事でも私生活でもいいことなんてひとつも起こらなかった。昨日深夜近くに帰宅した時には、もう今日は絶対に一歩も外に出ないと心に決めていた。
本でも読もうと自分の部屋の棚を眺めてみる。圧倒的にミステリーと外文が占める本棚の奥の方から、普段は買わないような日本の作家の、少し古めかしい文庫本を見つけた。不思議に思って冒頭から少し読んでみる。
うんうん、確かにこの書き出しやストーリーには覚えがあった。昔の私が買って読んだのだろう。でも、どうしても結末が思い出せ