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「希望の郷 東村山でのダンス日記 200803」

文舞両道の運営の仁田です。
障害者支援施設「希望の郷 東村山」でのダンスクラスの順番が回ってきました。

梅雨が明けての最初のクラス。東京はしっかり気温32℃ということで、きっとみんな夏バテしてんだろうなー、と思っていたら、久しぶりのお天道様が嬉しいのか、みんななんだかイキイキしている。
挨拶するといつもは反応がない人も、今日は目を見てニヤッと笑ってきた。そこには確かにニヤッと笑いの裏側に夏の爽やかさが共存していた。爽やかにニヤッと笑うの、今度俺も使ってみよう。

確かに梅雨明けはめちゃくちゃ嬉しい。梅雨の時期は体の中まで湿っけていたような気さえする。重い雲がどいてくれて、遠くにある太陽とパーン!と繋がるような感覚が本当に気持ちいい。

この施設は数年前に大規模な建て替えを行ったそうで、すごく清潔。本当に窓が多い。特にクラスを行う多目的室は広い、明るい、天井高いのダンスにはもってこいのスペース。室内だけど、窓越しに外の光を体で受ける。踊ることでさらに心を解放する。
みんなそれぞれが思い思いのダンスを繰り広げるので、非常に個人的ではあるけれど、全体がなんとなくいい雰囲気で穏やかに盛り上がっていた。

クラスの終わりはいつも「寝るダンス」で締めることになっている。心を一旦落ち着かせるために床にゴロンとしてもらう。ダンスというか、ゴロン、とするだけだ。この時間にいつも、学校の柔道の時にやっていた「黙想」を思い出す。
もちろんあの時はギッタンバッコン人を倒して倒された後にやるものなので、心の荒波を抑える、という意味では少し具合が違うけれど、心と体を一度静めてちゃんと自分自身に戻ってくる感覚はおそらく同じだ。

動くみんなを見ていると「ダンス」のプリミティブなところに改めて出会うことができる。僕は毎回それを確認するために希望の郷に行っているような気がする。

帰り際トイレに寄ったとき、さっきまでクラスを受けてくれていた人とすれ違った。さっき笑ってくれた人だ。彼が出ていこうとするときにまたニヤッと笑ってくれたが、今度は肩もポンと触ってくれた。
コミュニケーションが取れて嬉しいなぁ。あれ、手、洗ってないよなぁ。
一瞬思ってしまった、まぁいいか。やっぱり爽やかだったなぁ。

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