そんな日のアーカイブ 映画感想文 モンスター
自殺しようとしていた娼婦が同性愛の少女に出合った。そこで終わるはずの命が、であったことで繋がった。
そうしてまた、彼女の人生のサイコロが転がりはじめた。
娼婦のすごろくは13歳から始まっている。いや、8歳で父親の友人にレイプされたときからだ。
彼女がその人生すごろくの岐路でえらんだみちはいつも悪いほうへ悪いほうへと進んでいく。
しかし、そこで少女とであったことで、今度は違うとおもった。
夢をみた娼婦。幸せという幻想を抱いてしまった娼婦。娼婦でなくなろうとする娼婦。
スーツをきて面接を受けに行った弁護士事務所や職安で、彼女の幻想は現実に打ちのめされる。
なにがどうあっても、金がなければ、暮らしていけない。腹は減る。少女はどうしてパーティーをしてくれないの、うそつき、となじる。
純粋なものは残酷だと彼女は思う。それでも愛するもののために彼女は娼婦にもどる。
また、サイコロが転がって、彼女は最悪の事態を招いてしまう。
殺さなければ殺された、最初の殺人。
そのあとから彼女はことさらに自分を大きく見せようとする。歩き方や仕草が男のようになる。そうしていれば、不安が消えると信じているかのように。
何人もの男を殺した。少女との暮らしを守るために。少女を愛しているから。だから殺した。
なのに、少女は彼女を売る。保身のために。法廷で少女は彼女を指差す。このひとか殺した!。
最後のサイコロはそんなふうに転がった。あがりは死刑だった。 嗚呼。
読んでくださってありがとうございます😊 また読んでいただければ、幸いです❣️