横顔のあなた 2 質問状
こんな呟きを聞きました。
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人生は唐突に質問状を突きつけてくる。
これまで経験したことのない苦境とともに
「おい、どうする?」と詰め寄ってくる。
そのたびに血の引く思いをしながら
どうすればいいんだろうと頭を抱える。
うちばっかりこなくていいから
たまにはよそへ行ったら?
なんていいたくなるほど
ずいぶんそんなことをかさねてきたのに
新たな質問状は手を変え品を変え繰り出される。
まったく苦境のバリエーションは限りがない。
いや、実は過ぎた時間のなかで出した
その質問へのぶきようで不適切な答えが
あらたな質問を呼んでいるのかもしれない。
カバーしきれなかった小さな亀裂が
時と共に大きな裂け目になって
自分たちを飲み込もうと帰ってきているのかもしれない。
来し方のどこかの分岐点で
選択を誤ったのだと今気づいても
そこへ舞い戻ることはできない。
進んできてしまった時間を
まき戻すこともできないし
どんなこともなかったことにはできない。
一切合財のうえに今がある。
どの一瞬も、どの選択も
今にいたるための敷石なのだから
だから・・・
またどうすればいいんだろうと悩みながら
そのでこぼこの敷石の続きを歩んでいくしかない。
そんなわかりきったことを
もう一度こころに言い聞かせねば
前に進めないことがある。
平穏な時間の思考を
そのまま保てない悲しい時間もある。
血の引く思いの中で
そのときの一生懸命で選択してきたことなのだから
それは間違っていても
それはそれで仕方がない。
それがわれわれの人生なのだから。
ずっとそう思ってきた
泣きながら
うそ笑いしながら
もういやだよーとわめきながら
自分のせいだと自分を責めながら
それでも投げ出さないで
どこにも逃げ出さないで
ここまできたのに・・・
なのにそのうえにまた苦境がやってくる。
胃酸の逆流のようなじりじりした日がやってくる。
じりじりしながら
ひくひくしながら
行列の最後尾を行く気分で
日々を送らなければならないのか。
読んでくださってありがとうございます😊 また読んでいただければ、幸いです❣️