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地域で観たい「インディペンデントリビング・自立生活を選んだ障害者たち」

ぶんぶんフィルムズの新作を観ることができました。大阪で暮らす障がいのある方と、彼らの自立生活を支援する人たちが主役の映画で、その名も「インディペンデントリビング」(自立生活)


障がい×意思×他人×社会=自立

障がいのある方が、自分で、地域で、生きる、ということが、この映画でわかりました。

自立するために、周りに頼ったり、自分の意志を表現したりする、そのことが、今までの社会では当たり前でなくて難しかったこと。そこから脱するために、当事者たちも支援者となって、活動していること。そしてそれこそが自分の自立した生活を支える基盤になっていること。

映画の中では、当事者も、支援者も、地域の人も、お互いを尊重したい、自分らしく関わりたいという気持ちの交差点を探しながら、一人ひとりが行動しています。

人が対等に、尊重される環境にある時、そのまなざし、表情、言葉が、こんなにも変わるんだなあ、というところは、「ヒトを人間に育てる」という保育の世界で子どもたちと経験してきた感覚に近いものがあるなあと感じました。

自立を考える

「自立」という言葉が、生活面での物理的自立だけでなく、周りとの関わりも含めて、自分がどうやったら自分らしく人生を過ごせるかという問いに対する過程を指すのだとしたら、今どれだけの人が本当に「自立」して生きているのか、自分も含めて疑わしいかもしれません。

何かあれば個人が責任を問われやすい、もしくはそのような気配を感じて孤立してしまう今の世の中で、何回もやり直しながらみんなで解決していくという姿勢と、自分の表現を持った当事者と支援者の自立生活は、障がいのない人にとっても、希望と力になるのかもしれません。

みんなで観たい、観てほしい

私が、今、自宅で、ネット上でこの映画を観ることができたのは、すごくラッキーでした。コロナで出かけづらい状況の人も多いと思うし、私が今住んでいる九州の山奥では、新しい世界や生き方に出会えるドキュメンタリーを観ることはできません。障がいのある方や高齢者の方にとっても、映画を自宅で気兼ねなく観られることは大事だし、本当にいい時代になったなあと思います。

でも、この映画は、やはり、地域で、誰かと、観たい、観てほしい。そう思いました。一人で見られるけど、やっぱりみんなで観たいなあ。映画の中の空気が暖かいから、終わった後にちょっと寂しくなるのかもしれません。

< インターネット配信 >
■ 配信期間:3月14日(土)〜4月3日(金)24時まで
■ 料金:1,800円
■ 上映先リンク: https://vimeo.com/ondemand/filmil

< 映画館での上映:メイン映画館「ユーロスペース」 >
◎ 所在地: 〒150-0044渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 3F   http://www.eurospace.co.jp/

< 公式サイト:https://bunbunfilms.com/filmil/






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