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ブング・ジャムの文具放談・完全収録版~2021年Bun2大賞を斬る!~後編

『Bun2』では毎年、読者の投票でその年のベスト文具を選ぶ「Bun2大賞」を実施しています。今回は、2020年10月号から2021年8月号まで掲載した文具の中から、読者に人気の高かった文具など45点を選出し、読者の投票によりベスト文具30点を決定。2021年12月号で結果を発表しました(弊社で運営している文房具のwebマガジン『文具のとびら』でも結果を発表しています。記事はこちら)。

同じ号では、文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」による恒例の鼎談「文具放談」を掲載し、Bun2大賞に選ばれた文具たちについて激論を繰り広げています(*写真は左から高畑さん、他故さん、きだてさん)。

ここでは、本誌に掲載しきれなかった長時間にわたる激論を、2回連続で完全掲載します。文具をここまで掘り下げて、熱く語れる人たちは、この3人をおいて他にありません。今回も白熱した激論を繰り広げています。面白くてためになる「文具エンターテインメントショー」をお楽しみ下さい。

後編では、11位~30位の文具について取り上げたほか、ブング・ジャムのみなさんの個人賞も発表しています。

11位・PG-METAL 350

長年愛されてきたぺんてるの製図用シャープペンのプロ仕様の基本スペックを税込385円(税抜350円)という低価格で実現したエントリーモデル。他の製図用シャープにはない、豊富なカラーバリエーションも特徴。(ぺんてる)

――11位は「PG-METAL 350」です。
【高畑】これは、ちゃんとした製図用シャープペンとほぼ同じような機能を持ちながら、350円という価格で。エントリーモデルかな。
【きだて】これは、入門用の製図シャープという立ち位置でいいのかな。
【高畑】じゃないのかなと思うけど。コスパという意味では、かなりそれが高いかな。
【きだて】じゃあ、貧者の製図用シャープペンとか、ジェネリック製図用とか言っちゃいけないんだな。
【高畑】ジェネリックではないので。貧者のというのはどうかな。
【きだて】中高生が自分のお小遣いで、3,000円とか5,000円のシャープペンを買うわけじゃない。
【他故】まあね、好きな子は買えるけど、そうそう買えるわけじゃないからね。
【きだて】でもやっぱり欲しいというときに、こういう入り口があるのは大事なことだよね。
【他故】300円クラスのシャープペンは、それぞれのメーカーが一番得意そうに見えて、実は層が薄い価格帯ではあるんだよ。
【きだて】ああ、そうだよね。
【高畑】このクラスだと大体樹脂軸で、せいぜいラバーグリップが付いているぐらいの感じのものが多いんだけど、そこに巻き付けとはいえメタルのグリップを付けて、今よく言われる低重心化というところで、ある程度先端側に重心を持ってきているし。もちろん、高級感は高い物の方があるんだけど、でも基本的にスペック上は製図シャープペンの必要な条件をある程度満たしているかたちに持ってきているので。まあ、入門編ではいいんじゃないかな。

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