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ブング・ジャムの文具放談・完全収録版~2020年Bun2大賞を斬る!~前編

『Bun2』では毎年、読者の投票でその年のベスト文具を選ぶ「Bun2大賞」を実施しています。今回は、2019年10月号から2020年8月号まで掲載した文具の中から、読者に人気の高かった文具など45点を選出し、読者の投票によりベスト文具30点を決定。2020年12月号で結果を発表しました(弊社で運営している文房具のwebマガジン『文具のとびら』でも結果を発表しています。記事はこちら)。

同じ号では、文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」による恒例の鼎談「文具放談」を掲載し、Bun2大賞に選ばれた文具たちについて激論を繰り広げています(*写真は左から他故さん、きだてさん、高畑さん)。

ここでは、本誌に掲載しきれなかった長時間にわたる激論を、2回連続で完全掲載します。文具をここまで掘り下げて、熱く語れる人たちは、この3人をおいて他にありません。今回も白熱した激論を繰り広げています。面白くてためになる「文具エンターテインメントショー」をお楽しみ下さい。

前編では、注目の大賞(1位)をはじめベスト10の文具について取り上げています。

大賞(1位)・はにさっく

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一部で密かにブームとなっている「はにわ」をデザインした指サック。どこかとぼけた表情が魅力の6種類のはにわたちが、毎日のデスクワークや単調な事務作業を楽しくサポートしてくれる。つける指に合わせて選べる2サイズ入り。(ライオン事務器)

――「2020年Bun2大賞」の第1位は「はにさっく」に決定しました。
【高畑】これはきだてさん案件でしょ。
【きだて】あー、そうなんだろうけどさー。
――「はにさっく」については、先日思う存分話したばかりなので。
【きだて】そう。「文具のとびら」の「月刊ブング・ジャム」でさんざん話をしたので(記事はこちら)、もうこれ以上何を言えというのだ(笑)。
【高畑】そこは、「月刊ブング・ジャム」を見てもらえればというところはあるけど。僕らは散々語りましたよね。
【きだて】そもそも、ブング・ジャムの3人にとってはわりと語りづらい方向性の製品でもあるんだよね。
【他故】基本かわいいでしょ。
【きだて】そう。そもそもが、ジャンルとしてファンシーなんだよね。
【高畑】ある意味イロブンというか、これイロブンだよね。
【きだて】うーん、そこは間違いないんだけどね。
【高畑】いや、これまでの流れとは全然違っていて、これは本当に「かわいい、面白い」という視点からの一点突破じゃないですか。
【きだて】何故、我々がこんだけしゃべりづらそうにしているかというと、そもそも文房具としてはかなり不便なんだよね。
【高畑】まあ、これで紙をめくれるんだけど、でもこのはにわのかたちの腕とか顔とかは要るかというと、なくてもいい。
【きだて】そうなんだけど、はにわの腕とか顔だとか、背中のすべりどめに一つだけ前方後円墳が混じってたりするからこそ、こうやって1位に選ばれたわけじゃない。

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