【恋愛】ロッタとの出会い

短期大学2年生になった
恋愛しか興味がない時、友人のアパートに出入りしていると、地味だけど可愛い女の子が友達と同じアパートにいた
背は168センチ位、髪は長め、目がくりっと大きくが、いつも下を向いて歩く隠れ美人。いつもモノトーン系の服を着ていて、上着は大きめの服装だった。

女の子に手を出しては、のめり込む女の子がいない中、その子が気になり、なんとか連絡をとることが出来た

夏休みの終わり、自分は風邪をひいてしまい
病院に行きたかったが行けなかった
男友達も夏休みで実家に帰ったのを良いきっかけとして、車を持っていた女の子に病院までお願いした

当時の電話は、アパートに電話した後に部屋番号を掛ければ直接繋がる仕組みだった
駄目もとながら、丁寧に「友達も帰ってしまったし、具合が悪いから車で病院まで送って欲しい、嫌ならタクシー使うから無理しないでね」とお願いした
 
話しも、会った事もない女の子だったのに
なぜか病院まで送ってもらえる事になった

女の子のアパートに歩いて行き、チャイムを鳴らして初めて女の子の部屋のドアが開いた
あまり目を合わせない女の子でちょっとモジモジしていたけど
自分は丁寧に病院までお願いをした

宮城ナンバーの白いカローラは
とても女の子の匂いがする車だった
綺麗で掃除が行き届いていた
車で病院まで送迎してくれ、また丁寧に感謝を伝えてその日は終わった

病院から薬を貰い、短期大学からJRで1時間くらいの実家に帰り夏休みを過した

夏休みが終わり、女の子とは電話でよく話した
この時代、スマホはなくアパートの固定電話で話していた
普通に5時間とか‥有料電話なのに
会話を重ね、仲良くなり、かなり慎重に物事を取り進め、女の子の部屋に呼ばれて遊びに行った
ある程度信頼関係を結んでいたから、女の子とはすぐに仲良くなった
女の子の名前は「恵美ちゃん」以降(ロッタ)

それまで女の子遊びばかりしていた自分だったが、ロッタちゃんと出会って一切遊ばなくなった。 
というより、遊べなくなったという方が自然なのかな。

ロッタちゃんは、隠している事が多かった
美人であること
綾瀬はるかに似ていた 
巨乳であること
コンプレックスだったから、大きめの服を着て隠していた
創価学会員であること
アパートには仏壇があるのだが布でスッポリ覆い隠してあった

僕にとってそれらはどうでも良く、居心地の良い彼女の部屋に二年生の夏休み後から卒業まで一緒に暮らした
彼女は日文、自分は英文、学科は違うけど本好きな共通点があった
自分には知らない事を知っていて、一緒にいて面白く、居心地が良かった。
居心地って、肉体関係なくても、部屋の匂いとか、掃除とか、空気とか、そのような環境や空間だと思う

ロッタちゃんと仲良くなれば、仲良くなるほど些細な日々の着眼点が独特で、理由も奥が深く、話していて楽しく、よく笑い合う仲だった
とにかくよく二人で会話した 

奇跡的な共通点もあった
浪人していた時、オールナイトニッポンでカヒミ・カリィのラジオを聞き、カヒミ・カリィを好きになり、よく歌を聞いていた
カヒミ・カリィがラジオで選曲する歌がまた居心地がよかったり、プチカートファイブの選曲、コーネリア(小山田圭吾)の選曲も多かった

話は戻り‥
二人とも、テレビが嫌いだったので日常はテレビがついてなく、彼女のお気に入りの「裏原宿系」の音楽が流れていた
自分が知らなかった、フリッパーズ・ギターが恵美ちゃんが好きで、小山田圭吾と小沢健二がユニットを組んでいたのを知っていたり
ロッタちゃんを尊敬する部分が多くなっていった
日本作家にも詳しく、知らない作品も多く知っていた

ロッタちゃんとは同じ歳だった 
自分は浪人してニ学年だった時、一学年下だった。高校を卒業した後、働くこともなく実家で過ごし、発起すべく環境を変える為に宮城から北海道に引越してきた
彼女は母さんの再婚相手とうまく行かず、進路にも迷っていたようだった
環境は複雑だけど、基本は知的な明るさがあり、またしっかりと育てられた女性だった
 
ロッタちゃんとはよくドライブにも行った
富良野を一望できる夜景だったり、夜の海だったり、ラベンダーだったり、車のない僕は土地勘のないロッタちゃんといつもどこかに行った
車の中で他愛もない事を話してはよく笑い、良く愛し合った
でも、その地ではたった一年間の間だけだった
 
自分は短期大学を卒業して大学へ進学し 
東京へ行く事となり離れ離れとなったからだ

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