企業公式YouTubeCH 959個分析して見えた、コツと罠【出版・メディア編】
こんにちは!ぶるとん🐷(@bulltonofficial)です🐷
普段、株式会社ブルズでマーケター/動画プランナーをしています。主にYouTubeを活用したプロモーション企画の立案や分析を担当中🐷
担当するクライアントは、大手コスメ系ブランドさんや百貨店系アパレルブランドさん、外資系ガジェットメーカーさんなどです🐷
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本記事の趣旨
先日石橋貴明さんがなんとYouTubeに参入していましたが、2020年に突入してからYouTubeへの芸能人参入の勢いが止まりません。それに伴い、芸能人を起用していたクライアントのプロモーション予算もYouTubeに流れ込んできています。
多くの企業がYouTubeを活用したプロモーションを展開している中で、企業公式YouTube運用におけるコツと罠、について動画のプロとしてお話させていただきます。
そもそも企業公式YouTubeとは
企業が自社の公式発信として動画を定期的に投稿しているものを「企業公式YouTube」と呼んでいます。
トヨタ:22.4万登録
コカ・コーラ:5.3万登録
エイベックス:534万登録
企業公式YouTubeCH 959個 どんな企業が多いのか
国内のYouTubeを中心にランダム抽出を行いました。基本的には人力で拾ってはデータベースに入力するという形で半年以上かけて蓄積してきました。
おおざっぱな業界分けを行うと下記グラフのような分類となりました。
メーカーは比較的、自社でYouTubeチャンネルを保有している割合が高くなっています。
理由としては、商品を作る際に商品のPR動画や取扱説明動画を制作する事が多く、その動画をとりあえずYouTubeにアップロードしている例が多いためです。
また、メーカーの動画は、TVCMなどと違い出演モデルの権利周りの契約等がないため気軽にアップロードしやすいという利点があります。
出版・メディアの公式YouTube活用状況
メーカーについてチャンネル数が多いのは、出版・メディアジャンルです。
弊社のDB上には242チャンネル登録されており、他のジャンルに比べてもアクティブに運用しているチャンネルが多い印象です。
出版・メディアジャンルをさらに細分化すると、下記要素に分かれています。
出版ジャンル:61.3%
主に雑誌社のチャンネルが多くなっています。VOGUEやVOCE,SPRiNGなど雑誌名で運営されており、雑誌各社がそれぞれ保有する雑誌ごとに複数チャンネルを同時運用しているようです。
放送・新聞ジャンル:23.0%
主に新聞社が運営するチャンネルです。速報性の高いニュース・情報を提供することでYouTube公式のレコメンドに載ってきやすいジャンルです。トップページにニュースが掲載されているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか?
メディアジャンル:9.8%
主にウェブメディアを指しています。元々ウェブ主導型のコンテンツ制作を行っているため、YouTubeでの展開も比較的スムーズに行っている印象です。
エンターテイメントジャンル:6.0%
主に映画や音楽の発信を行うチャンネルです。YouTubeというプラットフォームで音楽ジャンルは最も古くから栄えていたコンテンツです。数年前にはGOOSE HOUSEさんがチャンネル登録者数日本一の時期もあったほどです。
出版・メディアジャンルのマネタイズ方法
なぜ出版・メディアジャンルはYouTube運用が活発なのか。
それはYouTubeでのマネタイズが他ジャンルよりも比較的容易である、という点があげられます。
従来、雑誌やメディア各社はクライアントのプロモーション支援のために広告枠を提供する、タイアップ記事制作を行う、などを主な収益源としていました。
その構造はYouTubeにも応用させやすく、従来雑誌でタイアップ広告として制作していた内容をそのままYouTubeコンテンツ化させることで、既存のクライアントに対して新しい広告パッケージの一つとして売り込む事が可能です。
新しい広告パッケージといいつつ、内容自体はタイアップ記事の応用版のようなもの、という理解をクライアントに浸透させやすいため販売のハードルは比較的低いです。
既存のクライアントを多く抱える雑誌社やメディア各社にとっては、紙から動画にシフトするきっかけとしてYouTubeを活用する、という動きが活発です。
下記は美容雑誌大手のMAQUIAが運営するYouTubeチャンネルにて実施された、美顔器のプロモーション例です。
従来では、紙面にて通常の記事同様写真を撮影し、テキストを書く、という流れで行っていたプロモーションがそのまま動画化していますね。
出版・メディアジャンルのYouTubeチャンネルを伸ばすためのコツ その①
出版・メディアジャンルが持つ大きな強みは、ずばりキャスティング力です。
特に雑誌業界や新聞業界は、「その紙面に掲載してもらえる!」という価値からタレントサイドも高額な出演費を請求することは到底ありえません。
「逆に0円でも良いから出演させてほしい!」と願う人も多いです。
YouTubeに多くの芸能人が参入してきていますが、まだまだ多くはありません。そのような「まだYouTuberにはなっていないが、YouTubeに初出演する!」という芸能人はブランド力のある雑誌のチャンネルで”YouTuberデビューする”ことが増えると予測しています。
そのようなデビューの場を最大限活かすために必要なことは、
①出演する芸能人に関する他のYouTube動画をチェックし、関連動画枠を取りに行く。
②パワーのある芸能人が出演した動画のサムネイルを定期的に更新する
という2点がポイントになります。
ある程度知名度のある芸能人は、YouTube上でメディアによる会見動画やテレビコンテンツ、ファンが制作したコンテンツが既にあがっている、ということがあります。
そのような動画の「関連動画枠」を確実に取り、効率よく拡散していくためには、既存の動画のタグや概要欄の記載内容をチェックし、関連動画枠に載せるための動画投稿設定を行う必要があります。
出版・メディアジャンルのYouTubeチャンネルを伸ばすためのコツ その②
出版・メディアジャンルのYouTubeチャンネルで最も重要なのは、そのチャンネルでいくらの売上をあげるのか、という観点です。
つまりチャンネルでのタイアップ動画をクライアントから受注することがゴールであり、そのゴールに向けて最短距離で走るためのチャンネル設計を行う必要があります。
クライアントが発注したい!と感じるチャンネルにしていくためのポイントは下記です。
①ブランド価値をあげてくれるようなデザインコンテンツであること
②他の動画の概要欄や終了画面などからもうまく流入を引っ張ってきてくれること(=オーガニック流入を増やしてくれそうであること)
③投稿で終わらず、広告運用などでのブースト施策まで見てくれること
STAY HOME期間では、多くの雑誌社が撮影作業自体を実施できず動きが止まっていました。
しかし、宝島社のSPRiNGチャンネルではこの期間を活かし、インフルエンサーに自宅動画を撮影してもらい、それをYouTubeコンテンツ化していました。
普段の動画のトンマナとズレないように編集で統一感を演出し、タグ・概要欄でのユーザー回遊の誘発を狙っていました。
出版・メディアジャンル|YouTubeチャンネル運営の罠 その①
コンテンツが豊富であり、マネタイズもしやすい出版・メディアジャンルですが、「YouTubeってこんなもんやろ!」とそれっぽく進めてしまうのが絶対に避けなければなりません。
例えば、
①ドン・キホーテのPOPみたいなテロップを出してしまう
②YouTuberがよく使うがちゃがちゃな効果音を頻用してしまう
などを行ってしまうと、キャスティングしたタレントのミスブランディングにつながる、タイアップしたいクライアントが検討を辞めてしまうなどのデメリットが発生してしまいます。
イメージで稼ぐごとが仕事であるタレントやラグジュアリーブランドは、一度たりともダサいコンテンツとは関わりたくない、と感じるはずです。
そのため本来獲得できていたであろうチャンスを逃し、機会損失が大きくなってしまいます。
どれだけチャンネルの成長が遅く、もどかしい時期があったとしてもクオリティに妥協するのはNGです。
出版・メディアジャンル|YouTubeチャンネル運営の罠 その②
また、チャンネルを「格納庫化」させるのも避けたほうが良いでしょう。
動画を活用したプロモーションが広がってきている中、例えばInstagram用に作成した縦長動画をそのままYouTubeにもアップしているチャンネルがあります。
もちろんコンテンツ量を増やすことは視聴数アップに繋がりますが、
YouTubeのフォーマットにあっていない動画を出してしまうとユーザーの視聴維持率が急激に落ち、YouTubeのシステム的に評価の低いチャンネルとなってしまいます。
その結果、全くレコメンドされないチャンネルに仕上がってしまいます。
縦型動画を投稿せざるを得ないならば、せめてYouTube用に横長で見やすく編集してあげる、テロップをつけてあげる等の工夫が必要です。
この記事を書いた人
ぶるとん🐷動画企画室|
https://twitter.com/bulltonofficial
株式会社ブルズとは|
動画を軸にしたプロモーションの企画、撮影、編集を行うデジタルエージェンシーです。2020年5月に南青山3丁目(エイベックスさんのビルの裏)にお引越しを行い、YouTube撮影やスチール撮影ができるスタジオを開設致しました🐷
動画制作やYouTube広告運用、YouTubeプロモーション施策のプランニングに関するご相談は下記アドレス宛にお願いします!
info@bullz.jp
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