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激動の2020年。Googleが考える「本当に良い」YouTube動画広告とは?

YouTubeの利用頻度が大きく高まった2020年。

それに伴いYouTube動画広告を利用する法人も急増しました。

YouTube広告という動画フォーマットに適応したものもあれば、「なぜこれをYouTube広告で配信する必要がある?」というものまで様々なコンテンツが配信されています。

今回は、Googleが毎年年末に行っているYouTube広告の表彰「YouTube Works」の審査項目を元に、Googleが考える良い広告とは何なのかを考察してみました。

「本当に良い」YouTube動画広告を捉える方法

まずはGoogleが主催する YouTube Works について説明します。

YouTube Works Awards は、YouTube で高い効果を獲得した動画広告を表彰する広告賞です。
イギリスで始まり、アメリカなど世界各国で開催され、各国で広告界・YouTube を代表するクリエイターが審査を行います。
日本では初めての開催となり、2020 年 12 月 3 日にオンラインで開催した Brandcast で発表いたしました。7 つの部門賞の中で最も優れた効果を獲得した広告をグランプリとして選出します。
参照)https://services.google.com/fh/files/misc/youtube-works-japan.pdf

つまり、Googleが設定した審査基準を元に複数の審査員が動画広告を評価するものです。

「ふ〜〜〜ん、ただの広告の表彰じゃん」

とお思いの方、お待ち下さい。

Google社は、YouTubeに関する情報をなかなか発信してくれないことで有名です。

どのような動画が伸びるのか、急上昇に乗りやすいのか、レコメンドされやすいのか、などなど具体的な手法は全く明かしてくれません。
(抽象的な言葉では公開されていますが、「そら当たり前やろ!」というものばかりなのです)

そんなGoogleがYouTube動画広告を評価する際に、「審査部門」として公開してくれた内容は、非常にレアな情報だと言えます。

なぜなら公式が認めた判断基準だからです。

この判断基準は公式が認めた「良い」動画広告の要素になりますので、今後の動画広告制作のキーになることは間違いないです。

審査部門一覧

今回は7つの審査部門がありました。それぞれ特色のある部門わけですが、共通する要素もあります。

本記事の最後には、まとめとして共通要素やそこから見いだせる今後のYouTube広告戦略についてお話します。

1. Creative Effectiveness 部門

2. Media Orchestration 部門

3. Performance for Action 部門

4. Small Budget, Big Results 部門

5. Force for Good 部門

6. Breakthrough Advertiser 部門

7. YouTube Creator / Partner Collaboration 部門

①Creative Effectiveness:クリエイティブクオリティとビジネス成果の両立

こちらはシンプルに「2020年いちばん良かった広告を決める」部門だと言えます。

ビジネスへの貢献を観点に、YouTube を戦略的に活用するキャンペーンが増えています。このカテゴリーでは、多様化する生活者インサイトを的確にと
らえ、クリエイティブとしても優れ、また効果面からも YouTube の特性を活用し、ビジネス成果へと繋げることに最も成功したキャンペーンを表彰します。

ただただビジネス成果をあげていくという観点だけですと、昨年夏頃から大流行している「マンガ動画によるコンプレックス訴求」がトップになってしまう可能性があります。

しかし、ここにクリエイティブという要素が掛け合わされていることから、YouTubeという場を活かし、守り、成長させてくれる動画広告をGoogleが求めていることがわかります。

②Media Orchestration:YouTubeだけでなく、TV・新聞など様々なメディアを組み合わせる

オフライン・オンラインの垣根を超えた、メディアの特性を活かしたシームレスなメディアプランニングはキャンペーン成功に欠かせない要素になっています。Media Orchestration では、 YouTube 、SNS、テレビ 、新聞、雑誌などの紙媒体、OOH 、店頭POP など、様々なメディアを戦略的に利用することで、対象としたオーディエンスに総合的にメッセージを届けることに成功したキャンペーン・効果的かつ効率的なアプローチによりビジネスでも結果を残したキャンペーンを表彰します。

この部門があるということは、Google社としてもYouTube広告を活用する広告主に対して「YouTube完結での配信だけでなく、他のメディア媒体も連動させた宣伝手法」を行うことは問題ない、と発信していると読み取れます。

YouTubeは、マーケティングファネルにおける認知〜興味関心〜比較検討〜購買〜ロイヤリティ などの段階すべてに対してアプローチできるような広告機能を持っています。

しかし、最も効果の出やすいプランニングを行おうとするとどうしてもテレビでなければリーチできない層や新聞でなければ購買に誘導できない層が存在してしまうことがわかります。

そのような外部メディアの活用を促進することで、広告主ファーストな構造にしていきたい、という思いが見えてきます。
また、そのような外部メディアの活用例をGoogle社としてインプットし、YouTubeのさらなるアップデートにつなげるのではないでしょうか。

③Performance for Action:ユーザーの具体アクションにどれだけつながったのか

デジタルキャンペーンの強みの一つはダイレクトにコンバージョンにどれだけ寄与したかが可視化できる点にあります。Performance for Actionでは、
YouTube 動画の力を利用してオーディエンスの意思決定を後押しし、行動を促すことに成功したキャンペーン・数値化された明確なビジネス結果を元に、最もコンバージョンに寄与したキャンペーンを表彰します。

こちらは純粋にどれだけアクションにつながったのか、を表彰する部門ですね。

④Small Budget, Big Results:少額予算でも大きな結果を残すことはできる

マーケティング課題ごとに合わせたオーディエンス&クリエイティブ戦略により、小規模のキャンペーンでも結果を出せるのが YouTube の特徴の一つです。Small Budget, Big Resultsでは、 YouTube を最大限に活用した戦略的かつ革新的なクリエイティブにより、YouTube 広告に投資した金額に対してより大きな利益を得られたキャンペーンを表彰します。

YouTube動画広告は、テレビCMとは違い少額予算でも気軽に出稿できるのが特徴的です。

数千円の予算から配信できてしまうのです。

ここから読み取れることとしては、YouTube側も「少額しか出せなくても良いので広告主をもっと増やしていきたい、という思いが読み取れます。

これは法人だけでなく、個人のYouTube広告活用も含まれると予想しています。

⑤Force for Good:社会的意義の表現

YouTube の活用方法は様々な広がりを見せています。Force for Good では、生活者との対話を深める・コアファンへブランドメッセージを届ける等、
収益やビジネスインパクトを超えて、YouTube において自社のブランドパーパスを表現し社会的意義のあるコミュニケーションを展開したキャンペーンを表彰します。

昨今ブームになっているサステナブルやSDGsなどの観点でインパクトを与えた広告でしょうか。

⑥Breakthrough Advertiser:2020年にYouTube広告活用で飛躍した会社は?

YouTube 広告は広告予算の多い企業や世界の有名企業だけが優れた結果をもたらすわけではありません。Breakthrough Advertiser では、実験的な視点と革新的な戦略で 2020 年に本格的に YouTube 広告を利用して、飛躍的な成功を収めた企業を表彰します。

純粋に今年YouTube動画広告を活用して、素晴らしい成果を収めた企業を表彰する部門ですね。

⑦YouTube Creator / Partner Collaboration:YouTuberタイアップで成果を出す

2020 年は、 YouTube で初めて活動を開始するクリエイターはもちろんのこと、音楽・芸能・スポーツなど、幅広い分野のプロフェッショナルが YouTubeを活用しはじめた一年となりました。YouTube Creator/Partner Collaboration では、YouTube で動画を投稿するクリエイター・パートナーとコラボレーションを実施し、高い効果を獲得したブランドのキャンペーンを表彰します。

これはいわゆるタイアップ案件です。

弊社でマネジメントするクリエイターにも今年、かなりの数の案件相談が来ていました。

YouTubeが今年の表彰としてこの部門を作ったということは、YouTuberがタイアップ動画を出すことに対してGoogleとして反対しているわけではない、と読み取れます。

Googleにお金が流れない「タイアップ」という組み方により、ブランド(広告主)がよりYouTube活用に可能性を感じてくれる、方がメリット大きいと判断したのでしょう。

今後のYouTube動画広告 活用戦略

ここからは、上記部門の内容を踏まえた考察になります。

まず、YouTube広告は確実に成果につながることを訴求していきたい思惑を全体的に感じます。

少額投下時の広告効果や新規参入クライアントの効果を表彰するということは、
・そもそも新規広告主を増やしたいという点
・マスメディアと違い成果の計測が容易である点

をアピールしたいのです。

このような記事も出していましたが、2021年はより一層テレビやその他マスメディアよりも高い効果を出せることを打ち出していくのではないでしょうか。

今後の広告主側のアクションとしては、
少額投下による効果測定を行い、その後大きな予算を一気に投下しマスを取り切る、という動き方が最適だと考えています。

少額投下だとしても取れるデータ量は年々増え、詳細化しているため、いわゆるA/Bテスト的な形で検証を重ね、ユーザー反応を見ながら配信状況を調整していく、というような状況になっていくと思われます。

2021年にはオリンピックが開催され、より一層活用が広がります。

従来のテレビ型の予算投下方法ではなく、ウェブ広告風の予算投下方法をベースにアレンジして配信していくのがトレンドになるでしょう。

どのような活用例が生まれるのか非常に楽しみです。

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この記事を書いた人

ぶるとん🐷動画企画室|YouTube総再生回数5000万回突破。

https://twitter.com/bulltonofficial

株式会社ブルズとは|

動画を軸にしたプロモーションの企画、撮影、編集を行うデジタルエージェンシーです。2020年5月に南青山3丁目(エイベックスさんのビルの裏)にお引越しを行い、YouTube撮影やスチール撮影ができるスタジオを開設致しました🐷

動画制作やYouTube広告運用、YouTubeプロモーション施策のプランニングに関するご相談は下記アドレス宛にお願いします!

info@bullz.jp



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