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将棋指す獣が面白い

 

 『将棋指す獣(けだもの)』と読みます。

将棋漫画は好きで、最近だと『リボーンの棋士』なんかとても面白い作品でした。『リボーンの棋士』と『将棋指す獣』は設定がとても似ています。

 それはどちらも基本ラインが、奨励会の外に出た主人公が、再度プロを目指す、というものになっているからなのですが、主人公はまぁどちらの作品においても強い訳です。プロになる実力を持っている人物だった訳ですから当然だとは思いますが、私はこのプロ(高み)にいる人間がアマ(悪く言えば下界)にいる人間に、食われる作品が好きでして…。

 私は将棋は極稀に指す程度ですが、下手くそでして、弱い。先読みが出来ないのです。だからこそ単純にあの盤の中に没入できる人を尊敬しています。読み合いの中に全てを懸ける人間、その表情がこの作品は見事に表現されています。様々な棋士が出てきて、そのどれもが魅力的に描かれています。

 単行本は4巻で完結。続きは現在電子にて描かれています(noteで読めます)。
 『リボーンの棋士』もそうなんですけど、なんで面白い漫画が打ち切りになるんだろうと思う。この『将棋指す獣』はすごく面白い作品で、ネジの外れた棋士を見事に描いていたと思う。
 この漫画そのものが主人公の弾塚光のようなもので、数多の売れている漫画(棋士)よりもよっぽど面白い(強い)。

 世の中には1万人近いプロの漫画家の方がいらっしゃって、その上位数百名だけが儲かるというウルトラレッドオーシャンな訳ですけど、その作品の差っていうのはそんなにないと思います。もちろん、誰が見ても素晴らしい傑作、段違いの作品を描く方はいらっしゃって、相応の評価を受けていると思います。ただ、その他のどの作品も、身を削って描かれた作品が多い。だからこそ、『将棋指す獣』の作中に出てくる『プロになるのは運』っていうのはすごく的を射ている気がします。『大ヒットするのは運』っていうかね。
 

 世間一般で大ヒットしている漫画には既にファンが山のようにいますから、個人的にはこれから来るであろう『漫画描く獣』の方々を応援出来ればなぁと思っています。

 電子で配信されている続編が、とても楽しみです!

 

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