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ヒバリ9. 「日本の神様」は私たちの『心』の中にある(祖先敬う心、自然を愛する心) 武田邦彦氏

9回目 「日本に神様は?」  2020.8.9

https://youtu.be/rSQeX1ZefRE

日本人の心の中にある3つの支柱

日本の精神的な支柱は3つあったのではないかと思う。

「天皇は神である」ということ、これで日本は統合した。
そして「自分を作ったのが神様である」という概念と、「男と女を比較しない」という概念である。これらは日本人の精神的なまとまりを作ったものだと考えている。

靖国神社の問題、宗教の自由の問題、そして、それとあまりにも違う実際の日本人の問題がある
私は、丹生鏡神社(下社)のような古い神社から、靖国神社のような人工的に(失礼だが)作られた神社まで行く。そして教会にも行く。牧師様の話を聞いて心にしみるものがあったりする。

催し物

ハロウィン (11月)
これはケルト人の祭りである。これらはキリスト教より前、紀元前800年とかその辺りのものである。
キリスト教から見れば異教であるが、キリストが中央ヨーロッパから北ヨーロッパにかけてのものなのであまり無下にできないのである。しかし、先にイエス・キリストが生まれていることもあって「異教だ」という人と「まあいいじゃないか」という人とでキリスト教の中でも2つに分かれている
日本では、かぼちゃに目でも書いて楽しんでいるだけである。

教会で結婚 (12月)
イエス・キリストの前で愛を誓う。結婚してすぐウソを言わせることだが‥。(笑)

クリスマス (12月)
教会に行くこともあると思うが、家ではクリスマスツリーを飾り「ジングルベル」や「きよしこの夜」をかけて、子どもには靴下に「サンタクロースがくる」と言ってプレゼントを入れておく
(まあサンタクロースもキリスト教か?といえばそうではないという話もあるが。)

初詣 (1月)
神社にいってお賽銭を投げて手を合わせ家族の健康や平安を願う。それを我々は、嫌々ではなく心からそうしている

墓参り (1月)
お坊さんのお説教を聞いたり、お墓参りをする。これも心からそうしている

日本の神様とは?

私は「日本の神様について」宗教の自由との関係、これらの日本人の奇妙な行動(他宗教の催しをする)について回答を得たいとずっと考えていた。(化学というのは全て説明できないといけない。「ある意味で説明ができる」というのは言い訳である。なので気をつけて丁寧にじっくり考えていた。)

そして2、3年前ほどにその回答を得たような気がする。
日本人の神というものは「自分(自分自身、自分の家族、仲間)を作ったもの」であるということ。

神=「自分(自分自身、自分の家族、仲間)を作ったもの」は何か?

1. 自然
太陽がなければ、−240°くらいで生きていけない。がなければ生命は生まれない、大地がなければ恵みがない。(も日本では重要な神様である)狼など動植物も神である。立派な樫の木が生えていたらそれも神様になる

2. 祖先
よく系統図が間違っている。系統図の一番上に昔の人がいて、そこから下へ読んでいくが違う。
本当の系統図は自分から上に遡る。親が2人、祖父母が4人、ひいお爺さん、ひいお婆さんが8人と見ていく。2のn乗に増えていく。
2、4、6、8とやっていくのだが、これはすごい数字ですぐに10万、20万になっていく。
我々は日本列島に住んでいるが、みな同じ子孫である
つまり自分の親を2人(父、母)だと思えば、自分と隣に住んでいる人は「他人」だと思う。
しかし、自分の親が、20代前や50代前と考えれば、日本人がみな同じ人間なのである。

同じ遺伝子からできている。ただ遺伝子の構成が違うだけである。
我々日本人は日本人を構成する遺伝子はみんな同じである。途中で違うところからきた、(朝鮮からうんと来たというのは間違いだと思うが、朝鮮から引き揚げてきたというのは本当だと思う)などそこらへんはまた議論するとして、我々の遺伝子は全部混ざっているはずなのである。

日本人にとって「神」とは?

日本人はこの「1. 自然の神様」と、「2.(自分の遺伝子である)祖先」の2つを神様とした。
なので、「イエス・キリスト」も神である、「お釈迦様」も神である、「キルト人のハロウィンの神」も(まあここは若干遠いけど、まあいいか)神として受け入れることができた

「2.(自分の遺伝子である)祖先」の場合はさらに、「可哀想な死に方をした人の霊魂」を大切にしようとする気持ちがある
戦争などで日本のために命を落とした人を靖国神社に祀ろうとした。
靖国神社は思想とは関係ないのである。軍国主義とも関係ない。ただ軍国主義に利用された、ということはある。
キリスト教もある。イエス・キリスト自体は立派だったが、イエス・キリストの名の下にいくらでも戦争や汚いことはやっている。十字軍もそうである。1,500年〜1,600年もかけてキリストの旗を掲げながら、アジア人の国を全部植民地にして殺した。

宗教を利用することは本当にいくらでもある。キリスト教は立派だが、キリスト教の名の下に悪いことをしていることはたくさんある。宗教とそれらは別物である
だから私は靖国神社については何も思わない。

ヨーロッパの宗教

私がなかなかこれらのことに気づかなかったのは、先にヨーロッパの宗教を勉強したからだと思う。
ヨーロッパの宗教は「多神教」や「一神教」という考え方で、宗教の概念自体が日本と違うのである。
日本以外の神様というのは「自分の信じる神様のみ」でひとつある。それらは、お釈迦様やイエス・キリストやマホメッドやモハンマドなどである。
まず教祖(お釈迦様など)がいて、教典(その人が話したことをまとめた本)があって、戒律(こうしなければいけないということ。※キリスト教ではクリスマスでは教会で生誕を祝わなければいけない、イスラム教では、日に5回メッカの方に向いて礼拝をしなければならないなど)がある。

日本の「神道」は宗教ではない。日本はヨーロッパ流の宗教の概念は日本にはない。「多神教」「一神教」「宗教の自由」というのはヨーロッパ流の宗教の概念なのである。そのヨーロッパの概念が日本国憲法に書いてあることがややこしく論争が起きるのである
キリスト教の方やイスラム教の方などは、私たちのこれらをなんとか理解してほしいと思う。

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