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第一話 「9」と「6」に縁があります。

生年月日にも9と6が入っていますし、実際19歳で大きく世界が開け、39歳で勤め人を辞めました。26歳の年に初めてバリ島を訪れ世界観が変わり、その同じ年に返還前の九龍城で迷子になったのもいい想い出です。更に36歳で初めてインドを訪れ、生死感も変わりました。

ついでに云うと初恋は6歳、相手は幼稚園で同級だった神主の娘でした。みどりちゃん、今頃どうしているかな。

ちなみに嘘みたいですけど、26歳と36歳と46歳の時に大失恋を味わされています。26歳はほんといろんなことがあったんですよね。56歳で何事もなかったのは、三度も煮え湯を飲ませたので、神様がお目こぼしくださったのでしょうか。

6歳の時には幼稚園で逆上がりに失敗し、脳天から地面に激突、生死の境をさ迷ったりしました。以来、私は鉄棒に近寄れなくなりました。蛇足ながら後年、韓国人の祈祷師に、「あんた子供の頃一回死んでるね。」と云われました。

生まれてこの方、一番好きな色は黒(96)。

車に乗らなくなって20年あまりになりますが、最後に乗った車のナンバーは9696でした。もちろん自分で撰んだわけではありません。

好きな音楽はロック(69)。好きな体位も、シックス……、おっと失礼しました。
[少年ジャンプ]の漫画はガキの時分からどうも性に合わないのですが、[はだしのゲン]と[ろくでなしブルース]だけは好きでした。あ、[トイレット博士]も、か。

私を可愛がってくれたおばさんは、六区という地区に住んでいて、肥後守で鉛筆を削ることを教えてくれました。私が刃物を持った最初の記憶です。余談ですが、私が小学生にあがる際に買ってもらった鉛筆削りには[スーパージェッター]のイラストがついていましたね。
鎌倉と逗子の境目あたり、小坪六丁目に引っ越して新しい生活を始め、車を手放して移動がバスになり、その頃乗り降りしていた停留場は九品仏前でした。

………と、挙げていたら切りがありません。
そんなわけですから、70歳になったら始めようと漠然と考えていた[源氏物語]の現代語訳も、60歳も終わる頃、ある日ふと思い立って前倒しし、見切り発車してしまいました。準備に思いの外手間取り、実際に着手したのは6月からです。

なんでまた[源氏物語]かというのは、それなりにいろいろとないこともないのですが、とどのつまりは[源氏物語]五十四帖、要するに9×6=54というのが根底にあるんじゃないかと踏んでいます。