FRBは口先介入を続けたい、続けないといけない

昨晩はニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁がインフレ、金利に対して発言しています

ウィリアムズ総裁はニューヨークのエコノミック・クラブでの講演原稿で「インフレ率はあまりにも高い。インフレが高止まりしていることで米経済が潜在能力を完全に発揮する能力が損なわれている」と指摘。インフレ低下に進展の兆しが見られるとしながらも、インフレ率をFRBの目標に戻すため、一段の措置が必要との考えを示した。

その上で「一段の金融引き締めで需給バランスが回復し、向こう数年間でインフレ率を2%に戻す一助になる」とし、「金融引き締めで需要が低下し、インフレ圧力が下がり始めている。時間はかかるが、持続的な物価安定に戻ると確信している」と述べた。

同時に、米経済は景気後退(リセッション)入りを免れる可能性が高いものの、失業率は上昇すると予想。来年末には4.5─5.0%に上昇する可能性が高いとの見方を示した。

インフレ率については、今年末には5.0─5.5%、来年は3.0─3.5%に緩和すると予想した。 

今回の金融引き締めで一定の効果は見られるけれども、インフレが求める水準まで低下するには時間がかかるということです

時間がかかる原因はサービス価格がなかなか低下しないこと

今回のインフレはコストプッシュインフレ、原材料高や人件費高が原因のインフレ

年前半のウクライナとロシアの戦争で上がった原油はとうに年初の値段に戻り

昨年から言われているサプライチェーンの乱れはなくなりました

残るは人件費の高騰のみ

こいつはインフレの中でも特にしつこい、一回上がった賃金はなかなか落ちません

サービス価格の大半は人件費で説明がつきます。なので、サービス価格が落ちるのは人件費が落ちる速度と同じでゆっくり

もちろん、そんなことは市場参加者は承知しているので先回りで株を買います

FRBとしては、先回りの株高をほっとくわけにはいかないのです。人は自分の財産が増えれば気が大きくなります。株高によって消費が刺激されれば、モノの値段は下がりにくくなります。

インフレが低下する道は見えているけど、速度はゆっくり。その間に要らぬ刺激が入らないようにFRBは口先介入で速度調整をしないといけないわけです

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