パウエル議長の講演は大筋は今まで通り、若干のスパイスを加えた

パウエル議長の講演での発言を受けて株式市場は大幅高、内容を見るとここまでの発言と一貫性を保ちつつインフレピークアウトの見通しに理由をつけて話しています

モノの生産のボトルネック(サプライチェーン問題や一次産品の高騰)は緩和
モノのインフレは和らいでいる

これは半導体不足によるサプライチェーンの乱れ、ウクライナとロシアの戦争による原油・天然ガスをはじめとした原材料の価格高騰によるインフレは和らいだ。コストプッシュインフレの解決の可能性を示唆してます

住宅サービスは来年も上昇し続けそう
新規賃貸が下がり続ければ、来年後半には住宅サービスインフレも下がり始める

住宅以外のサービス価格に重要な雇用市場では、リバランスの兆しはわずか、賃金上昇率は2%のインフレと整合的な水準を大きく上回る

賃金と密接な関係のある家賃や、人件費がコストの大半を占めるサービスについては賃金が落ちれば自然と落ちるとの見通しを示しています。ただし賃金上昇率は未だに高い。
賃金上昇についてはコロナでの死亡、移民減少で労働人口が減っていてFRBとしてはコントロールできないとも発言してます

金融政策は経済やインフレに不確実なラグ(時間差)をもって波及
急速な引き締めの影響が完全に現れるのはこれからだ

引き締めの効果は時間差がある。これは、極めて経済の教科書的なのですが、あらためて強調。この次の発言に繋げてます

金利がインフレを抑えるのに十分な水準に近づくにつれ、利上げペースを緩やかにするのは理にかなう
利上げ鈍化の時期は早ければ12月会合になるかもしれない
利上げペースを弱めることよりも、あとどれほど利上げが必要か、引き締め的な政策を保つのはどの程度の期間か、のほうがはるかに重要
物価安定を回復するにはしばらくの間、引き締め的な金利水準を保つことが必要だと思われる

12月の金利の上げ幅の縮小に言及しつつ、物価の安定には時間がかかる。なので、高い金利が続く可能性はあるよ

概ねこういった内容でした。

ここ最近の他のFRB高官の話とも合致はします。各人の表現の温度差は違いますが

明日の雇用統計が想定より強い数字がでても、労働人口の減少という話をしているのでショックは少ないのではと想像してます

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