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僕たちは、コーヒーを「食べて」大きくなった。

「コーヒー」と言われて何を思い浮かべるかは人それぞれだろう。

"カランコロンカラン"とドアを押し開けて、髭のマスターに「いつもの」と頼んで淹れてもらうアメリカンコーヒー?
シアトル系のカフェで自分好みのカスタムでオーダーをしたスペシャリティコーヒー?

カフェや喫茶店までいかなくても、自宅でドリップコーヒーを楽しむ人は多いだろうし、インスタントコーヒーや缶コーヒーなど様々なスタイルで愛飲されているコーヒー。

さて、我が愛する秋田ではコーヒーが愛飲ならぬ"愛食"されている。

誤解しないで欲しい。

コーヒー豆を食べているのではない。
あくまで、「コーヒー」を「食べて」いるのだ。
しかも、物好きな変人が食べているのではなく、いわば県民食として愛食しているのだ。

早めのネタばらしを。

ここでいうコーヒーは株式会社たけや製パンさんが作って秋田県内各地のスーパーなどを中心に販売されているパンの商品名だ。

包装右上の超ロングセラー商品マークが
秋田県民に愛されてきた証!

……あのさあ、
中にあんこが入っていればアンパン、焼きそばを挟んでいれば焼きそばパン、って感じで、パンの名前ってのは、(中に入っているもの)+パン というのが一般的じゃん。
じゃなくても、メロンのような見た目ならメロンパン、主食用のパンなら食パンというように、見た目や目的に接尾語的にパンをつけて、
「これはそういうパンですよ」と説明的な命名をされるのがパンじゃんよ。(〇〇サンドでも〇〇ロールでも良いけど)

なのに、こちらの商品名は「コーヒー」なのよ。
じゃあ、液体のコーヒーがはいっているのか、生地に練り込まれているのかってなるのだけどそうじゃあない。

たけやの「コーヒー」にはコーヒークリームが入ってるのよ。だったら普通は、コーヒークリームパンじゃん?少し譲ってあげたとしてもコーヒーパンまでじゃん?
なのに、たけやさんったら何年もこれは「コーヒー」だ、といって聞かないのよ。

たけや製パンのサイトより。
こしあんの入ったパンは、「あんぱん」だけど……


みんな、アンパンのことを「あんこ」って言ったり、ジャムパンのことを「ジャム」って言ったりしないじゃん!なのにさ。ねぇ、ねぇ?

艶かしさを感じるほど美しい黒褐色のクリームがたっぷり!

一旦、落ち着こう。

名前はさておき、僕たちはコーヒーパンが大好きだ。

たけやの「コーヒー」にはコッペパンにご覧のような光沢のある黒みの濃い茶色のコーヒークリームが挟んであるのだが、これが他のお菓子とかによくある"コーヒー味"とはひと味違ってる。

ミルクコーヒー味でもないし、チョココーヒー味でもない。
そうした、甘いだけのコーヒー風味のクリームではないのが人気の秘密なのよね(多分)。

「甘くて、苦い……」
と聞けばミレニアル世代の私にはアニメ、ママレード・ボーイのオープニングテーマ「笑顔に会いたい」(名曲)が思い浮かび、「……ママレーっだけど気になる〜♪」と続けたくなるところだが、

たけや製パンの「コーヒー」こそ、まさに"甘くて苦い"のだ。

コクのあるブラックコーヒーに砂糖を入れたような風味で、老若男女みんなが美味しく食べられる味になっている。

私がコーヒーを、「食べた」最も古い記憶は30年以上前に遡る。
農作業の合間の「たばこ」の時間に田んぼの横にシートを広げて家族で食べた菓子パンの中のラインナップに「コーヒー」はあった。

その後も、色々なシーンでコーヒーを食べたと思う。
「と思う」というのはあまりにも日常過ぎていちいちカウントしてなかったから。
それくらい、たけやのコーヒーはいつも僕のそばにいた。

時は流れて、僕は大きくなった。
大げさに言うけど、コーヒーを「食べて」大きくなったんだ。

僕だけじゃない。他県民がコーヒーを食べていないことを考えると秋田県民の多くはコーヒーを食べて大きくなった。

ここ最近は住んでいる場所が、秋田の「隣県」、とはいえ、お隣さん感の薄い宮城県に変わって、たけやのコーヒーは帰省したときに買い求める「スペシャル」な存在になりつつあった。

ところが、驚くべきことに、今の住まいの近くのスーパーでたけやのコーヒーを発見した。

僕は、できるだけたくさん買った。普通に美味しいし、このスーパーで終売にならないように、ちっぽけな力だけど、できるだけ買って応援したいし。

コーヒーwithコーヒー之図

家に帰るのを待ちきれず、帰りの車で早速いただく。
変わらぬ美味しさがありがたい。
さっき朝ご飯を食べたばかりなのに、お腹が減ったとうそぶく息子にも一口。
……のつもりが「もっと」とねだられ、半分ほど食べられた。偏食の多い彼がパクパク進めるのはそれだけ「気に入った」ってことだろう。

件のスーパー、実家から最寄りの「よねや」に行くよりも近い。絶対にまた買いに来ような。

時代を超えて、世紀を跨いで愛され続けるたけやの「コーヒー」はこうして我が家でも無事に次の世代に引き継がれていく。

おやつにも良いし、朝ごはんにも良いね。

憂鬱な梅雨が始まった。
祝日もないし、夏休みまではまだまだ遠い。
そんな6月の月曜の朝が来た。

頬張った「コーヒー」をコーヒーで流し込んで、体にも心にもエネルギーをチャージして出勤する。
なんとかまた1週間、頑張れる気がしてくる。


……そう。
これからも、僕はコーヒーを「食べて」生きていくんだ。

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