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リテイクが苦手!なんでだろう?のハナシ

こんにちは。就労継続支援ビルドの秋田です。
デザインでもイラストでもクライアントワークであればリテイク=修正依頼が来ることはほぼ当たり前と考えていいでしょう。
ただ、自分がやりたいことを好きなように作っている環境から、急に「他者の依頼に応える」作業にシフトすると、
意外とこたえるのが、この"リテイク"です。

なぜか

自分では「できた!」「完璧!」と思って提出しているからです。

特にビルドの利用者さんには0/100思考で完璧主義の方が多いので、「初めから100%の出来の、完璧なものを提出するぞ!」と意気込んでいることが多々あります。
すると…

「NGだった……」
「自分のやったことが受け入れられなかった……」
「不出来だったんだ。失敗した。もうだめだ……」

と、絶望してしまいます。

失敗経験の積み重ねで自分に自信が無いこともあって、少しでも指摘が入ると自分自身を否定された気持ちになることがあるんですよね。

というわけでビルドでは日々の作業練習の中で「クライアントの依頼に応える作業」を取り入れ、少しずつ慣れていくようにしています。
・段階1
 自由に描く(制作する)→否定や非難をされることなく、安心して表現できる段階
・段階2
 練習→ルールやセオリーを学ぶ
・段階3
 模擬案件を経験する→自分の自由でやっていいものではないので、指示に合わせて制作する経験。やり直す必要はないけれど、実務ならこんな部分に注意してほしいといったことを学ぶ
・段階4
 社内向けの制作物など指示に沿って制作する→より良くするための助言を受ける(ちょっとした修正含む)
・段階5
 実務→クライアントから修正依頼が入った場合はスタッフが巻き取る段階を経て、自身で修正対応していくところを目指す

最初に必要なのは、安心と自信です。
最初から「もっとこうしたほうがいい」「こうしなさい」「ああしなさい」と頭ごなしに言われたらつまらないし自信も持てませんよね。
なので、最初は楽しく!まずはデザインやイラストの面白さに触れる段階です。そこからは本人のペースで、もっとうまくなりたい!とか、仕事で請けたい!という希望がでてきた段階に合わせて課題を調整していきます。

さて、このような「失敗することや指摘を受けることが怖い」というリテイクの苦手は、成功体験の積み重ねで徐々に慣れていくことができます(人によるし、感覚過敏は感情にもあるので消耗しすぎないよう注意が必要です)。

リテイクの苦手の別パターンは…

一回考えた(思いついた)ことから離れられない


です

発想の切り替えが苦手、と言い換えてもいいでしょう。
これも、発達障害あるあるのひとつではあるのですが、最初に考えたことから気持ちを離すことが、けっこう難しいのです。

修正依頼を受けたときに、最初に作ったものから大きく変えることがとっても大変です。
たとえば
「~の条件で○○を■■できます」

5行の要素が入った円型のあしらい

としていたものを、
「○○を■■」
に変更してくださいといわれたときに…

円型のあしらいの中が2行になった

ただ要素を抜いただけ、になってしまったり。

ちなみにこちらは再修正で、最終的にはちょっと変わりました。

文字の加工を変えたり全体に大きく目立つように変更

最初に決めたものから大きく変えるというのは、最初の考えから離れないといけないので大変なのです。

これはこれでストレスがかかる工程なので、リテイクが続くと消耗してしまいます。

こちらに関しても慣れというか経験値というか
「こういう仕事は、最初に出したものはたたき台である」という折り合いをつけていくことになります。
あと、最初から複数パターン出すとか、A案B案…と出しておくと変更に対応しやすいです。
複数の選択肢を設けておくことで0/100思考の完璧主義を少し緩めていくことができますよ。

このあたりも、無理のない範囲で作業を通して練習していくことになります。

ビルドでは、実際のお仕事や実務に即した模擬作業を通して実践的なスキルを習得できるところがポイントです。

いただいたサポートは利用者さんの工賃に!素敵なヘッダーイラストを描いてくださった皆さんに還元しますね。