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せどり、あるいは赤橙色のSNS

靴といえば俄然NEW BALANCE派の、どうも私です。

大学生の頃はもっぱらアディダスやコンバースで、
「NEW BALANCEって何かあの"N"のマークがダサいよね。ジャイアンが着ている"G"のTシャツみたいだよね。」とか思ってました。

NEW BALANCEに手を出そうとしたきっかけは、2013年ごろ。
当時狂ったように楽天市場で衝動買いをしまくっていたおかげで、
楽天経済圏の渦に飲み込まれポイントが30,000近く溜まってました。

溜まったポイントをドカンと使うとき、
普段買わないモノに手を出したくなる衝動に駆られるのは私だけでしょうか?

折角なのでちょっと奮発して長く履けそうな、良いスニーカーでも買うか
と思い、ネットサーフィンしていたところ、
NEW BALANCEのまとめサイトを見つけ、
夜な夜なNEW BALANCEの歴史を読み耽り、一気に引き込まれました。

スティーブ・ジョブズ愛用のM991、
ラルフ・ローレン愛用のM1300、
アンディ・ウォーホル愛用の730 etc、
著名人を魅了するNEW BALANCEですが、
型番それぞれにストーリーがあるのがコレクター心を擽られます。

また、これまでJ Crew、マーガレットハウエル、ビームス、アーバンリサーチ等、
アパレルブランドとのコラボも盛んです。

ただ、私は特に敬虔なNEW BALANCE信者という訳ではないので、
特に新着情報などを追いかけることのなかったのですが、
ある日ふとfashionsnap.comをみていたところこんな記事が。

Auraleeといえば昨今のミニマルブームの牽引役とも言えるファッションブランドで、
佐々木希や飯豊まりえをはじめ、ファッションピーポーも好んで着ているブランドです。

そんなAuraleeとNEW BALANCEがコラボレーションするなんて、
ファッション小僧達にとっては喉からロボットアームが出るほど欲しい代物ではないですか!!

そして、よくよく記事を見てみると、それ以上に気になるワードが。

「コラボ再び」

再びって何ですか?CR新世紀エヴァンゲリオン?今回が初のコラボじゃないの?
繰り返しますが、私は敬虔なNEW BALANCE信者ではない為、最近のコラボ事情なんて、ラーメンつじ田と金子半之助くらいしか知りません。

で、ググって見ると以下の記事が。

どうやら1回目のコラボは2019年3月だったのですが、
その時販売したスニーカーが、メルカリで定価の倍以上の値段で取引されているとのこと。

これはテンションぶち上がりです。


遡ること10年以上前、今は亡き赤橙色のSNSが全盛期だった頃。
「服好きさん集まれ」という、雑誌でいうとこれまた今は亡きChoki ChokiやTUNEあたりを愛読している、
幽遊白書の暗黒武術会に参戦しそうな奴らが集う服キチコミュニティが存在しました。

※2013年のTUNEの表紙。これでもまだコンサバな方。2006〜2007年あたりはもっと頭おかC感じの格好をしている奴らが多かった。

そして、そのmixiの服好きコミュニティでは洋服の売買が盛んに行われていました。

当時はファッションECは黎明期、フリマアプリはもちろん存在してない、強いていえばヤフオク一強時代。

ただ、ヤフオクは入札・落札の管理や手続きが面倒で、出品されているアイテムも偏りがあったことから、mixiを活用して気軽に洋服が売買できるということで、
当時の若者的には密かに人気となっていました。
フリマアプリのように仲介手数料を取られることもないし。

(よく考えたら本人確認もせずに知らない人とやり取りしていたな。一方で、代引き・書留で郵送すれば品物だけ盗られてお金が払われないリスクは回避できるわけで。)

私もそのコミュニティで、最初は着なくなった洋服を売っていたのですが、
ある時古着で買ったジャケットが購入時とほぼ変わらない金額で売る事が出来たことがあり、これはやり方次第でお小遣い稼ぎになるなと。

セレクトショップで言うとVIA BUS STOP、CANNABIS、MIDWESTあたりの所謂モード系が全盛期だった当時。
上記の通りECも少なかったので、入手するには店舗に行かないとダメだったんです。
さらに地方のセレクトショップではあまり入荷することがないため、
服ヲタは学校が長期休暇になると、わざわざ新幹線に乗って東京の原宿に服を買いに行く時代でした。

ここに目をつけて、洋服の背取りをしていました。
「せどり」ってあまり聞かないかもしれませんが、要は転売です。

例えば具体的には

ファミリーセールで50%オフになっているアウターを購入。
(50,000円→25,000円)

→mixiに新品未使用と書いて40,000円で売る旨を投稿。その際に値段のタグ画像もアップ。

→売る。

たったこれだけでバンバン売れるわけですよ。

さらにデザイナーズ系のブランドはサンプルセールという、
量産前の一点モノを売りに出すこともあり、割引率も90%とかだったりするので、
10万のアウターを1万で買って、3万で出品すると5分で売れる、とかザラにありました。

欲望渦巻く魔界都市・東京という地の利を生かした情弱ビジネスが、ほんの10数年前は成り立ってたのです。

閑話休題、そんな大学時代の経験もあり、
このAuraleeとNEW BALANCEのコラボスニーカーで久しぶりに背取りをしようと。

発売日は2/8土曜の11時。表参道にあるAuraleeの路面店、United Arrowsの一部店舗で販売とのこと。
ただ、大学生の頃の体力とバイタリティがあれば
東の空が白む時間帯に起き、寒空の中列に並ぶことも厭わないのですが、
流石に30代も中盤になると、ラーメン二郎以外の行列に並ぶ体力もバイタリティはありません。

と、躊躇してたところ今回のコラボスニーカーはUnited Arrowsのオンラインストアでも販売するという朗報が。
これなら並ばずに買える!

2/8の販売30分前にPC2台とスマホを引っ提げ、オンラインストアにアクセスし待機。
11時になった瞬間、スニーカーの購入ページに行き、購入ボタンを連射しました。

ちなみに複数端末でサイトを立ち上げる理由は
セール時はサイトが重くなり、
ページを読み込んでる間に他の人に目当ての商品を買われてしまう恐れがあるためです。

無事スニーカーを購入することに成功。

ぐへへ、チョロいもんだぜ。

と、思いきや、United Arrowsオンラインストアで購入した後の流れとしては
在庫の確認→取り寄せ→発送となり、
在庫確認が出来ない場合は購入はキャンセルされるとのこと。ぐぬぬ。

まあ、これといって何か手を打てる事もなく、仕方ないので取り敢えず待ったのですが、
結局商品が届いたのは約1週間後の2/14。

いい表情(カオ)してるぜ。
はじめまして、そしてさようならだ!

写真を数枚撮り、早速にメルカリに出品!

スニーカーの定価は19,800円。サイズは売れやすい26.5cm。
限定品でネットショップは11時15分には完売。もちろん新品未使用ということで、強気に35,000円で出品しました。


結果ですが、売れました。
出品から12日経過した、2/27に取引完了。ただ、価格は27,000円。さらにメルカリの販売手数料10%、送料1,000円が掛かり、
最終的に手元に残ったのは23,300円なので、差益は3,500円…。

うーん、何だろう。一応購入時よりも高く売却できたし、
元本倍率1.18倍、月利換算45%なので決して悪い結果ではないのですが。

敗因は完全に購入から手元に届くまでの時間ロス

実際、2/8に店舗で並んで購入、即メルカリに出品していたソルジャー達は、30,000円前後で取引をしていました。
私が出品した2/14は、既にセカンダリマーケットではなく、ターシャリでした。

ちなみに2/29現在では、23,000円前後まで下落してます。
自分でもギリギリ売り抜けた感じで、タイミングを逃していたら元本割れ必至という感じでした。危ない。

冷静に考えたら布団でポチポチPCをいじって購入できる限定シューズを高値で売れるなんて甘い話はそうそう無いわけで。

まあ、買った絵画を屋根裏に寝かしていたら価格が上がったという、アートインベストメントの真似事のような体験もできたし、
古き良き時代を回顧するキッカケにもなったので、楽しかったです。

そういえば、赤橙色のSNSは今もご健在だそうで。

ログインのIDもパスワードも忘れてしまったので、2度と入ることはないでしょう。

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