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靴修理

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靴を解体したり、直したり。
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バラしたベックマンが届きました。

バラしたベックマンとはつまりこんな状態のこと。 ソールを外して、縫い目を解いて、ウェルトやら中底やらを外すと、こんな感じで靴の中身をマジマジと観察できます。 「あら、案外たのしいわ」と思われたか、もしくは「めんどくさーい、こんなこと二度とやりたくなーい」と思われたかは分かりませんが、その好奇心は素晴らしいと思います。 ちなみに、ワタクシ妻は靴をバラす際に何度も流血しておりますので、二度とやりたくない!と思っている作業ナンバーワンです。恐ろしいです。 なので、このベック

ブヒの原点で真骨頂! 『靴解体』のすべて

-------------------------------- かれこれ15年程前のお話。 どんな靴でも直してやるぞーと意気込んでいた当時のブヒは『靴をバラバラにしてまた元に戻す。』そんなことを繰り返して、靴修理を極めようとしていました。 バラす度に異なる靴の構造をしっかりと目に焼き付けて、またそれを元どおりの形にする。作られた年代や国、ブランドや製法によって異なる靴の構造をブヒは何年もかけて記憶していきました。 そうして様々な種類の靴をバラしては直すことを繰り返し

一から作るよりもめんどくさいけどワクワクすっぞ

前回の続きでーす。(こちら) バラバラにした靴を組み立てていきます。 洗って、保湿して、またブーツの形に縫い合わせます。もちろん元々の縫い跡の箇所に針を落としていきますので、慎重に進めていきました。 ウェルトも傷んでいなかったので再利用。コレもまた、ミシンの跡に穴が開いていますのでそのピッチに合わせて縫っていきます。 元に戻す。って、実にめんどくさい。 けどなんか、制限があるとか、リスキーなことって、なんでかワクワクしますよね。 そんな感じでワクワクしながら靴作って

靴修理。大切な靴をできる限り復元してまた履ける状態にしました。

久々に靴修理のブログでーす。 今回の修理は何というか「復元修理」のような内容です。 これまでにも様々な靴を復元してきたのですが、難関であればあるほどニヤニヤしてしまう性分のブヒです。 大切に履かれてきたのがよくわかる靴ですね。いい感じにくたびれています。 クラックや全体的な破損がでてきたのですが、どーしてもまた直して履きたい。との事でしたので、これはもちろん直します!!腕がなりますね。 【今回の修理内容】 ・アッパー 傷みの激しい部分は新しい革で作り直し(つま先部分)

ビンテージ靴の修理。今までにない緊張感と戦う。

靴修理の記事です。 このビンテージ靴はおそらく1940年代のものかな?といったところです。それはつまり今から約80年前の靴ということです。 あぁ、自分らの靴が80年後にもまだどこかの誰かに履いてもらえていたら嬉しいな、嬉しすぎるやんな。と、しみじみ感じました。 そんなビンテージ靴は、歩いていて蹴躓いた拍子にソールがベリッといくくらいのお品です。 原型を留めているだけすごいような状態。革はもう朽ちています。 そんな靴をバラす作業は、いつも通りにはいきません。力任せにやる

グッドイヤーウェルトのリブが破損するとどうなるか

今回は靴修理でーーす。 こんなの初めて見ました。ウェルトまで削れています!! バイクに乗られるそうなのでこんな風になったのでしょうか。かっこい。 とにかく直し甲斐のありそうな雰囲気です。 ウェルトまで破損している場合は、「リウェルトオールソール」です。 ウェルトを新しくしてオールソールします。 まずは解体。(靴の内部閲覧注意) むむむ これは「リブ」もやられてますね。接着剤が劣化して剥がれています。 いわゆる「リブ浮き」 特によく曲がる土踏まずあたりから剥がれてくる